プロセスバリデーションとは?製薬における目的と手順、DX化を解説

記事の要約

  • プロセスバリデーションとは、医薬品の製造工程が常に一定の品質を満たす製品を製造できるかを科学的に検証し、文書化する活動です。
  • 事後確認であるベリフィケーションとは異なり、工程そのものの妥当性を事前または並行して証明します。
  • 膨大なGMP関連の文書作成の負担は、株式会社EQUESの製薬特化型AIツール(QAI Generator / QAI Checker)を活用することで大幅に削減可能です。

新薬の立ち上げや工程変更の際、製造工程の品質を厳格に担保する「プロセスバリデーション」の重要性を理解しつつも、実務における全体像の把握や、膨大なプロトコル(手順書)や報告書を作成する負担に悩まされてはいないでしょうか。

この記事では、プロセスバリデーションの基本的な定義から、具体的な種類、そして実務で役立つ手順書の記載内容までを、厚生労働省のGMP省令などの一次情報に基づいてわかりやすく解説します。

さらに、弊社株式会社EQUESが提供する最新のAIツールを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)によって、品質保証に係る文書作成の負担を削減する方法もご紹介します。

この記事を最後までお読みいただくことで、プロセスバリデーションの要点を的確に把握し、煩雑な文書業務を効率化するための具体的な解決策を得ることができます。

プロセスバリデーションとは?目的とベリフィケーションとの違い

プロセスバリデーションとは?目的とベリフィケーションとの違いの解説図(画像は生成AIを用いて作成しています)

プロセスバリデーションとは、医薬品の製造において、目的とする品質に適合する製品を「恒常的に(常に)」製造できる条件や工程を科学的に検証し、文書化する活動のことです。

プロセスバリデーションの対象と目的

プロセスバリデーションは、主に以下のような条件や期間において実施が求められます。

  • 新規品目の製造を開始する前の期間
  • 既存製品の製造方法、設備、原材料などの重要な要因を変更するタイミング
  • 製造場所を別の工場へ移管する際

プロセスバリデーションの目的は、製造プロセスが一貫して要求品質を満たすことを保証し、市場出荷後の初期不良やリコールといったリスクを排除することです。

[参照元:厚生労働省「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(GMP省令)」第2条13号

プロセスバリデーションとベリフィケーションの違い

プロセスバリデーションとベリフィケーションは、品質保証における役割が異なります。以下の表に違いをまとめました。

項目プロセスバリデーションベリフィケーション
目的製造工程の設計自体が正しいか(予測)を証明する出来上がった製品が基準を満たしているか(結果)を確認する
実施タイミング実生産前(または並行)、設備や工程の変更時日々の製造ごと、または継続的
対象プロセス(製造工程・条件)全体個別の製品ロットや特定のアウトプット

プロセスバリデーションの主な種類

プロセスバリデーションの主な種類の解説図(画像は生成AIを用いて作成しています)

実施するタイミングや条件に応じて、「予測的バリデーション」「コンカレントバリデーション」「再バリデーション」の3つの主要な種類が存在します。

予測的バリデーション(Prospective Validation)

製品の実生産を開始する前に実施する、最も標準的なプロセスバリデーションの手法です。通常、商業生産スケール(実生産と同じ規模)で原則3ロット以上の製品を連続して製造し、すべてのロットが合格範囲に入ることでプロセスの妥当性を確認します。

コンカレントバリデーション(同時的バリデーション)

製品の実生産と並行して実施するプロセスバリデーションの手法です。オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)など、需要が極めて少なく、予測的バリデーションのための連続生産ロットを事前に確保することが現実的に困難な場合に限り、例外的に適用が認められます。

再バリデーション(Revalidation)

すでにプロセスバリデーションが完了している製造工程に対して、一定期間ごと、あるいは品質に影響を与える可能性のある変更(設備の更新、パラメータの変更など)が生じた際に実施します。製造工程がバリデートされた状態(品質を担保できる状態)を維持できているかを再確認するために重要です。

参照元:日本ジェネリック製薬協会「バリデーションについて」
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/column/202112.html

プロセスバリデーションを実施する際の手順とポイント

プロセスバリデーションを実施する際の手順とポイントの解説図(画像は生成AIを用いて作成しています)

重要な工程パラメータ(CPP)と重要な品質特性(CQA)を事前に特定し、科学的根拠に基づいた手順書(プロトコル)を綿密に作成することがポイントです。

実施をスムーズに進めるためのポイント

プロセスバリデーションの実施には、製造部門、品質保証部門(QA)、品質管理部門(QC)などの部署間の連携が不可欠です。スムーズに進めるためには、以下のポイントを押さえる必要があります。

  • 責任と役割の明確化:実施計画の作成者、実行者、承認者の権限を明確に定めます。
  • 重要パラメータの特定:温度、時間、圧力など、製品の品質に直結する重要な工程パラメータを特定します。
  • 客観的な合否判定基準の設定:属人的な判断を排除し、数値データに基づいた科学的な基準を設けます。

手順書(プロトコル)の構成と記載例

プロセスバリデーションを実施する前には、詳細な実施計画書である手順書(プロトコル)を作成します。手順書に記載すべき主な項目と具体例は以下の通りです。

目的と対象設備の記載例

  • 目的:新規品目Aの打錠工程において、設定パラメータで規定の硬度と重量を満たす錠剤が恒常的に製造できることを検証する。
  • 対象設備:ロータリー式打錠機(型番:XYZ-100、設備番号:M-001)

評価項目とサンプリングの記載例

  • 評価項目:打錠速度(毎分〇〇回転±〇回転)、錠剤重量(〇〇mg±〇mg)
  • サンプリング方法:製造の開始時、中間時、終了時にそれぞれ〇〇錠を無作為に抜き取る。

参照元:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ICH Q11:その意義と日本への適用」
https://www.nihs.go.jp/drug/PhForum/14thRecord/14Forum5.pdf

プロセスバリデーション業務の負担を軽減するDX・AI活用

プロセスバリデーション業務の負担を軽減するDX・AI活用の解説図(画像は生成AIを用いて作成しています)

製薬業界に特化した生成AIツールや文書照合SaaSを導入し、プロトコル作成や齟齬チェックなどの定型業務を自動化(DX化)することが、業務負担軽減につながります。

AIを用いた「QAI Generator」による文書作成の効率化

AIを用いた「QAI Generator」による文書作成の効率化の解説図(画像は生成AIを用いて作成しています)

プロセスバリデーションのプロトコルや報告書など、GMP関連文書の作成は専門性が高く、多大な工数を要します。株式会社EQUESが提供する製薬SaaS「QAI Generator」を活用すれば、簡単な質問に答えるだけでAIが必要な文書の草案を自動作成します。実際の運用において、文章の作成時間を5割削減し、レビュー時間を7割以上短縮するなどの劇的な業務効率化を実現しています。(経済産業省主導の生成AIプロジェクト「GENIAC」にも採択されています。)

「QAI Checker」による品質保証文書の自動照合

「QAI Checker」による品質保証文書の自動照合の解説図(画像は生成AIを用いて作成しています)

複数の品質保証文書間で内容の齟齬(食い違い)がないかを確認する作業も、AIによるDX化が有効です。製薬SaaS「QAI Checker」は、段落ごとに整合性を解析し、数値、工程、名称のミスなどのヒューマンエラーを網羅的に検出します。検査結果はエクセルで一括ダウンロード可能なため、品質保証業務の精度とスピードを飛躍的に高めます。

よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)の解説図(画像は生成AIを用いて作成しています)

ここでは、プロセスバリデーションに関してよく寄せられる疑問についてお答えします。

Q. プロセスバリデーションの対象にならない工程はありますか?

A. 包装工程(一次包装を除く)や表示工程など、有効期限やロット番号の印字の適格性が別途確認できる一部の工程は、プロセスバリデーションの必須対象外となる場合があります。ただし、製品の品質に影響を与えないという明確な根拠が必要です。

Q. プロセスバリデーションは一度実施すれば終わりですか?

A. いいえ、一度実施して終わりではありません。製造設備や条件に変更があった場合、あるいは一定期間ごとに製造工程がバリデートされた状態(品質を担保できる状態)を維持できているかを確認する「再バリデーション」を実施し、継続的に品質を保証する必要があります。

Q. 文書作成の負担を減らすにはどうすればよいですか?

A. 製薬業界に特化した生成AIツール(QAI Generatorなど)や文書照合SaaS(QAI Checker)を導入し、プロトコル作成や齟齬チェックなどの定型業務を自動化(DX化)することが有効な手段となります。

まとめ

まとめの解説図(画像は生成AIを用いて作成しています)

本記事では、製薬業界におけるプロセスバリデーションの基礎について解説しました。

  • プロセスバリデーションは、製造工程が安定して目的の品質を生産できることを科学的に検証・文書化する活動です。
  • ベリフィケーション(結果の確認)とは異なり、工程そのものの正しさを事前または並行して証明します。
  • 実施には、計画的かつ詳細な手順書(プロトコル)の作成が不可欠です。
  • 文書作成の多大な負担は、AIを活用したDXツール(QAI GeneratorやQAI Checker)によって劇的に削減可能です。

品質を担保するためのプロセスバリデーションは、製薬において避けては通れない道です。だからこそ、最新の技術を取り入れて業務のスマート化を図ることが、企業の競争力向上に繋がります。

弊社のAIツールや、東大出身のAI専門家集団がチャットで課題解決を支援する「AI×DX寺子屋」、大規模開発前のPoCサービス「ココロミ」にご興味がございましたら、ぜひ株式会社EQUESまでお気軽にお問い合わせください。

文書業務のDX・AI活用は、EQUESにご相談ください

GMP関連文書の作成・照合の負担軽減について、製薬特化型AIツール「QAI Generator / QAI Checker」でご支援します。まずはお気軽にご相談ください。

一覧に戻る

まずはお気軽にご相談ください

お問い合わせはこちら