








2025.07.28 <プログラム採択紹介>「ICTスタートアップリーグ」2025年度採択企業に選定されました
このたび株式会社EQUESは、総務省が推進するスタートアップ支援プログラム「ICTスタートアップリーグ」において、2025年度の採択企業に選定されました。 「ICTスタートアップリーグ」は、ICT分野で先進的かつ社会的なインパクトをもたらす技術・サービスを有するスタートアップの成長を支援するプログラムです。EQUESは本採択を通じて、展示会やピッチイベントへの出展、企業・自治体とのマッチング、海外展開を見据えたネットワーキング機会の提供など、多面的な支援を受けながら、さらなる事業成長を目指してまいります。 EQUESはこれまで、生成AIや数理最適化を軸とした研究開発と、その社会実装に取り組んできました。今回の採択を機に、技術力をさらに高めるとともに、社会や産業へのより深い貢献を目指してまいります。 今後もEQUESは、研究知の実装によって、ICT分野における持続可能な価値創出に挑戦してまいります。 ▼ICTスタートアップリーグ公式サイトhttps://ict.startupleague.go.jp/
2025.07.24 <イベント出展のお知らせ> ~見る・知る・触る 最先端の生成AI~ 松尾研究所・Google×やまぐち生成AIフォーラム
2025年7月25日(金)、山口市の「ニューメディアプラザ山口」にて開催される、松尾研究所主催のイベント『~見る・知る・触る 最先端の生成AI~松尾研究所・Google×やまぐち生成AIフォーラム』に、EQUESがソリューション展示で参加いたします。 本イベントでは、東京大学 松尾豊教授による特別講演や、Google Cloudによる最新ソリューションの紹介のほか、松尾研究所発スタートアップが一堂に会し、生成AIの社会実装に向けた最前線の取り組みを紹介します。 EQUESは、「品質保証領域の帳票生成AI」や「設計ナレッジを活用した3DCADソリューション」など、製造業における業務変革を支援するAIエージェント技術を展示予定です。最新の研究成果をもとにしたソリューションを、ぜひ会場でご体感ください。 ■開催概要イベント名:~見る・知る・触る 最先端の生成AI~松尾研究所・Google×やまぐち生成AIフォーラム開催日時:2025年7月25日(金)13:00〜17:00(入退場自由)会場:ニューメディアプラザ山口(山口市熊野町1-10)主催:一般財団法人 山口県デジタル技術振興財団参加申込:TECH PLAYイベントページ(事前登録制) 皆様のご参加を心よりお待ちしております。
2025.07.03 <イベント出展のお知らせ> 第27回 インターフェックス Week 東京
<イベント出展のお知らせ> 2025年7月9日(水)~11日(金)より開催される「第27回 インターフェックス Week 東京」において、弊社がイベント出展を行います。 詳細はこちら:https://www.interphex.jp/tokyo/ja-jp.html#/ ■開催概要 日程: 2025年7月9日(水)~11日(金) 10:00~17:00 会場: 東京ビッグサイト 主催: RX Japan 株式会社 来場予定の方は、事前のご登録をお願いいたします。 来場登録する(無料) VIP来場登録する(無料)※VIPは課長・マネージャー以上の方限定 皆様のご参加を心よりお待ちしております。
Service
EQUESは、高い専門性による創出力を、現場への価値変換力とスピードによって、
シームレスに産業へとつなげることを強みとしています。
EQUOSは多くの企業とパートナーシップを結んでいます。 ※一部抜粋
Example
Essencimoが語る、生成AI活用の第一歩と「AI DX寺子屋」導入の実感
2025.07.16
■導入企業の紹介 株式会社Essencimoは、2019年4月に設立された、補助金申請支援を主力とする成長企業です。東京・千代田区に本社を構え、約30名の若手中心のチームで運営されています。同社の中心サービス「補助金オフィス」は、年間採択率90%以上という業界屈指の実績を誇り、これまでの累計採択額は15億円以上に達します。ものづくり補助金や事業再構築補助金といった中小企業庁関連の各種補助金申請はもちろん、採択後の報告書作成まで、一貫したサポートを提供しているのが特徴です。経済産業省認定の認定経営革新等支援機関として、数千の全国補助金に対応できる専門性を持ち、一般的な採択率35%を大きく上回る実績で、業界における確固たる信頼を築いています。代表取締役の杉田龍惟氏は東京大学経済学部を卒業後、学生時代から補助金業界に携わり、同社を創業。「社会システムの合理化により、意味のあるシゴトだけに取り組める状態を目指す」という理念を掲げ、表面的な支援に留まらず、企業の根本的な課題解決に注力しています。 ■顕在化した課題 株式会社Essencimoでは、生成AIの本格的な活用に向けて、ある種の壁に直面していました。現場の従業員からは「そもそも生成AIをどう業務に取り入れたらいいのか分からない」という声が聞かれ、AIリテラシーには個人間で大きなばらつきがあるのが実情でした。積極的に使おうとするメンバーがいる一方で、その機能を十分に引き出しきれていないという課題も存在していました。これは、会社全体として生成AIの統一的な活用方針やガイドラインが定まっておらず、個々の取り組みに任されている部分が大きかったためです。結果として、生成AIを導入して業務効率化や新たな価値創造を目指したいものの、具体的な活用方法やその効果をどう測るべきかが不明瞭な状態が続いていたのです。 ■導入の経緯・理由・決め手 このような状況下で、株式会社Essencimoは、生成AIの業務活用を全社的に推進するため、EQUESの**「AI DX寺子屋」**の導入を検討しました。導入の決め手となったのは、まず杉田様からのトップダウンによって、全社的に生成AI活用への意識が高まっていたことでした。この方針を受け、現場の従業員が抱える「何を質問すればいいのか分からない」「どう使っていいか分からない」といった具体的な疑問に対し、テキストベースで個別の相談に応じてもらえる「AIツールコンサル」のような形式が、現状のリテラシーレベルに合わせたサポートとして非常に有効だと判断されました。社内だけではなかなか進まなかったAI活用のノウハウや具体的なアプローチについて、外部の専門家であるEQUESから客観的な知見を得ることで、より効率的かつ効果的に生成AIの導入を進められると期待されたのです。Essencimoでは他に類似のソリューションは検討しておらず、EQUESのサービスが現在の課題解決に最も適していると判断し、導入に踏み切りました。 ■導入後の成果 「AI DX寺子屋」の導入後、株式会社Essencimoの従業員からは具体的な質問がEQUESに寄せられ、それに対しテキストベースで丁寧な回答が提供されました。特に、回答に参考となるURLが添付されていたことは、質問者がさらに深く内容を理解し、自ら調べる上で非常に役立ったと好評でした。 しかし、同時に新たな課題も浮き彫りになりました。それは、Essencimo側の十分なリソースが確保できなかったことや、回答を具体的な業務に落とし込む難しさです。従業員のAIリテラシーに幅があるため、「質問に対する回答を得ても、それを実際にどう業務に活かせばいいか分からない」という声や、「日常的にAIを使っているメンバーでも、現状のAIでできること以上の高度な活用にはまだ至っていない」といった実情も認識されました。一方で、EQUESからの回答が単なる「答え」に留まらず、「なぜその結果になったのか」という技術的な背景や思考プロセスまで丁寧に説明されていた点は高く評価されています。これにより、従業員はAIの特性や限界、そして応用可能性について、より深く考察するきっかけを得ることができました。 ■社内での声 今回の「AI DX寺子屋」の導入について、株式会社Essencimoの従業員からは様々な声が聞かれました。 「AIリテラシーにばらつきがある中で、何を質問すればいいか分からない人にも具体的なヒントが提供され、AI活用のハードルが下がったと感じています。普段からChatGPTを使っている従業員にとっても、より高度な質問や活用方法を模索する良いきっかけになりました。ただ、1ヶ月という期間では、期待するレベルに到達するにはもう少し時間が必要だと感じたのも正直なところです。EQUESからの回答は具体的で、参考リンクの提供があったのも非常に良かったです。自分たちでさらに深掘りして調べる手がかりになりました。また、業務が属人的な部分が多い中、今回の相談サービスを通して、現状の業務でAIが活用できそうな領域を再認識できたのは大きな収穫でした。」 ■今後の展望 株式会社Essencimoでは、今回の「AI DX寺子屋」の活用経験を踏まえ、今後の生成AI活用に関して具体的な展望を抱いています。まず、現状個人に委ねられている生成AIの活用について、会社全体として「どのように活用していきたいのか」という明確な方針を定めることを最優先課題と捉えています。これにより、従業員間のAIリテラシーのばらつきを是正し、全社的なAI活用を推進する強固な土台を築いていく考えです。 次に、ExcelやWord、PowerPointなど、現行業務で頻繁に使用するツールへの生成AIの活用をさらに深化させ、質の高い業務を維持しつつ、一層の効率化を図っていきます。特に、補助金申請書類の作成といった属人的な業務において、現状のAIではまだ代替が難しい部分についても、将来的なAIの進化を見据えつつ、可能な範囲での活用を模索していく計画です。 さらに、補助金情報の収集が情報源ごとに散在しているという課題に対し、自動化の可能性も検討していきます。現時点では人力での収集が中心ですが、将来的には規則性のない情報収集においてもAIを活用できるよう、EQUESのような外部パートナーとの連携も視野に入れています。そして、社内でAI活用を推進するキーパーソンを育成し、「AI DX寺子屋」で得た知見を社内に展開していくことで、さらなるAIリテラシーの向上と、具体的な業務への落とし込みを加速させていく方針です。 株式会社Essencimoは、生成AIの活用を通じて、より効率的で質の高い補助金申請サポートを提供し、顧客企業の成長に貢献していくことを目指しています。
東北電力が語る、AIリテラシー向上を目的とした1Day研修導入とその手応え
2025.07.14
■導入会社の紹介 東北電力事業創出部門では、東北・新潟地域におけるスマート社会の実現を目指し、新規事業開発を推進しています。その中で、AI関連サービスとして、GPUクラウドサービスや東北・新潟におけるお客さまへのAIの導入支援を行っています。 ■顕在化した課題 事業創出部門としてAI関連サービスを提供している中で、部門メンバー自身がAIを使いこなす能力をさらに高める必要性を感じていました。特に生成AIの分野においては、基本的な知識から実践的なプロンプトの書き方、そして新規事業開発に活かせる具体的な活用方法まで、体系的な学習機会が求められていました。 ■導入した経緯,理由,決めて EQUES様との出会いは、GPUクラウドサービスの紹介を通じてでした。その後、様々なテーマで協業検討を進める中で、まずは事業創出部門としてAIを使いこなせるようになりたいという思いが明確になり、EQUES様とご相談の上で1Day研修を実施することになりました。 ■導入後の成果 先日実施したEQUES様による1Day研修は、生成AIの基本的な内容に加え、プロンプトの書き方、新規事業開発に活きる生成AIの使い方といった実践的な内容でした。受講者からの評価は非常に高く、研修後には各自が生成AIを活用した業務効率化を進める結果となりました。 ■社内での声 研修の受講者からは、内容が非常に実践的で分かりやすかったとの声が多く聞かれました。各自の業務に直結する生成AIの活用方法を習得できたことで、日々の業務効率化に大きく貢献していると実感しています。部門全体としてAIリテラシーが向上したことを喜んでいます。 ■今後の展望 現在、EQUES様とは、事業創出部門専用のAIモデルの研究やパーソナルLLM構想など、多岐にわたるテーマで協業を検討しています。引き続き、EQUES様と密接に連携し、東北発のスマート社会実現に向けた新たな価値創出を目指していきます。
三菱電機グループ RYODENが語る、生成AI導入の決め手とその成果
2025.06.30
■導入会社の紹介 株式会社RYODENは、三菱電機グループに属する総合技術商社であり、長年にわたり日本の製造業を支える重要な役割を担ってきました。同社は、基幹事業であるFAシステム、冷熱ビルシステム、エレクトロニクスの技術を基に、スマートアグリや医療ITなど、多岐にわたる分野をカバーしており、製造現場の高度化や省エネ·環境対策の推進に貢献しています。単なる商社にとどまらず、技術提案力やシステムインテグレーション(SI)力に強みを持ち、顧客ごとの課題解決に寄り添う伴走型の提案活動を展開しています。近年では、DX(デジタルトランスフォー メーション)やサステナビリティへの対応にも注力しており、国内外の拠点を活用しながらグローバル規模でのソリューション展開を進めています。2025年3月末時点での従業員数は1,451名、売上は2,157億円に達し、成長を続ける企業です。 ■顕在化した課題 同社の戦略技術センターでは、製造業向けにさまざまな先端ソリューションを提供してきましたが、近年注目されている生成AIに関しては十分な知見がなく、学術的なアプローチが課題となっていました。これまでにAIや機械学習技術を用いたPoC(概念実証)や業務適用は経験があったものの、生成AIについては学術的な検証を行った実績がなく、どうアプローチすべきか、研究の進め方自体に戸惑いがありました。また、製造業向けのソリューション開発においては、社内で保持している技術シーズや独自ノウハウに基づく提案を行っていましたが、それに"生成AI"という新たな付加価値を加えたいというニーズが強まっていました。そのため、技術的な裏付けを持ちつつ、学術的視点から協業できる適切なパートナーを社外に求めていたのです。 ■導入の経緯・理由・決め手 そのような状況下で、同社の戦略技術センターではEQUESとの協業を検討しました。決め手となったのは、EQUESが単なる受託開発ベンダーではなく、学術的な素養を持つ研究者出身のメンバーが在籍していたことです。特にCTOの助田氏は、大学との共同研究や査読付き論文の執筆実績を持ち、学術と実装の両面において強い信頼を置ける存在でした。学術的なアプローチが求められる領域において、その専門性と柔軟性は大きな魅力となり、「ここなら信頼して任せられる」と確信を持って協業をスタートさせました。また、プロジェクトは月額数十万円というスモールスタートから始められ、コスト面でも導入のハードルが低かったことも意思決定の後押しになりました。 ■導入後の成果 プロジェクト開始後、月に1回の定例報告会を開催し、EQUESから進捗や技術的な説明が行われました。その中で特に印象的だったのは、単なる「結果報告」ではなく、課題に対してどのように技術的にアプローチし、どのような前提でその結果が導かれたのかを丁寧に説明してくれた点です。 報告の質が高く、技術的な裏付けを持った説明があったことで、RYODENの技術陣としても深い納得感と安心感を得られました。 ■サービス導入後での声 また、EQUESのサービススタイルも高く評価されました。従来の業務委託型とは異なり、"AI×DX寺子屋"という形で、社内メンバーとEQUESの技術者が密にコミュニケーションを取りながら進める形式が取られました。これにより、社内の技術者が直接EQUESのメンバーと対話できる環境が整い、知識の定着や理解の深まりにもつながりました。技術者同士の会話だけでなく、チームとして複数名でコミュニケーションが取れる体制だったことも、プロジェクトのスムーズな進行に貢献したと考えています。 ■今後の展望 今後は、戦略技術センターとして製造業向けの生成AIソリューションをさらに拡充していく方針です。生成AIの応用範囲は年々広がっており、社内外のデータを活用した提案書作成、画像生成を用いた設計支援、対話型の業務ナビゲーションなど、可能性は無限にあります。EQUESとの協業で得た知見やノウハウを活かし、「AI×DX寺子屋」という共創型の取り組みを通して、さらに価値ある提案を市場に届けていきたいと考えています。
Member
東京大学大学院.ex 松尾研プロジェクトマネジャー.
松尾研起業クエスト1期生.
松尾研チーフAIエンジニアとして企業との共同研究に従事.その後,現実世界と情報学の融合を志し,計数工学科在学時にEQUESを創業.専門はシステム情報学,特にテラヘルツ波通信とハプティクス(触覚技術).
東京大学大学院. ex 松尾研プロジェクトマネジャー
松尾研起業クエスト2期生.産総研「覚醒」事業採択.
AIビジネスコンテスト全国優勝後,計数工学科で現CEO岸と出会いEQUESを創業.
専門は数理情報学であり,クラスタリング最適化や医療AI分野の研究でトップジャーナルや国際会議に採択されている.
Advisor
松尾 豊
技術顧問
2007年より,東京大学大学院工学系研究科准教授. 2019年より教授. 専門分野は,人工知能,深層学習,ウェブマイニング. 人工知能学会からは論文賞(2002年),創立20周年記念事業賞(2006年),現場イノベーション賞(2011年),功労賞(2013年)の各賞を受賞. 2020-2022年,人工知能学会,情報処理学会理事. 2017年より日本ディープラーニング協会理事長. 2019年よりソフトバンクグループ社外取締役. 2021年より新しい資本主義実現会議 有識者構成員. 2023年よりAI戦略会議座長.
Column
製薬の品質保証(QA)の仕事内容とは?製薬業界の課題とAIによる解決策
2025.07.24
近年、製薬業界における品質保証(QA)の重要性はますます高まっており、患者様へ安全で高品質な医薬品を届けるために不可欠なQAですが、その業務は多岐にわたり、煩雑化・高度化が進んでいます。 「膨大な種類の複雑な文書作成に時間がかかっている」「他部署が作成した文書の確認項目が多くて大変…」「品質保証の専門人材の採用がなかなか進まない」 など、もしあなたが今このような課題を感じているなら、この記事がお役に立てるかもしれません。 本記事では、品質保証(QA)の基本的な概念から、製薬業界が抱える課題、そしてその解決策となるAI技術の活用までを網羅的に解説します。この記事を読むことで、品質保証の全体像を理解し、AI技術を活用して業務を効率化する具体的なイメージを描けるようになるでしょう。それでは、品質保証(QA)と、AIによる革新について深く掘り下げていきましょう。 医薬品の品質保証(QA)の基本概念とその重要性 品質保証とは? 医薬品の品質保証(Quality Assurance, QA)とは、医薬品の設計段階から最終的な提供に至るまで、法律や省令で定められた品質基準が常に満たされているかを保証する取り組みです。 QAは製造工程における品質保証(GMP内でのQA活動)だけでなく、保管や輸送など流通過程(GDP) にも及ぶ広範な概念です。よくQC(品質管理)と混同されがちですが、QCは主に製品のテストや検査段階における実際の品質確認を行う業務であり、QAはそれらを含む全体的な品質保証システムの運用を意味します。 品質保証はなぜ重要なのか? 医薬品の品質保証が重要とされる理由は以下の点の通りです。 安全性の確保 製造工程でのミスや誤配合、保管中の不適切な環境管理があれば、患者の生命や健康に重大な影響が及ぶ可能性があります。 有効性の担保 製品が設計通りに製造され、有効成分が適切に含まれていなければ、治療効果が得られず、医療全体への信頼が損なわれます。 法的遵守 国内外の薬事法規やガイドライン(例:薬機法、GMP、省令)に違反すると、行政処分や企業のイメージの失墜、市場からの撤退など重大なリスクを伴います。 品質保証は、企業の社会的使命を果たし、医療従事者や患者からの信頼を得るために欠かせません。 GMP(適正製造基準)との関係 GMP(Good Manufacturing Practice, 適正製造基準)とは、医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令に基づいて策定される、製造工程における具体的な管理手法です。(・医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(◆平成16年12月24日厚生労働省令第179号))GMPは、製造設備や作業環境、作業員の教育、標準作業手順書(SOP)の運用、内部監査、データの完全性(Data Integrity)などを通じ、製品が常に一定の品質基準を満たすように設計されています。GMP内では、品質保証(QA)が製造工程全体の監視や改善策の実施を担う重要な要素として位置付けられています。 医薬品GMPの三原則 人為的な誤りを最小限にする: 従業員に対して専門知識の習得や、衛生管理の徹底が求められます。 汚染及び品質低下を防止する: クリーンルームなど、作業空間を清潔に保ち、汚染源を防ぐ環境を作ることが重要です。 高い品質を保証するシステムを設計する: SOP(標準作業手順書)など、GMPに沿った手順を構築し、知識の一貫性を保つことが重要です。 GMPを遵守することで、製品が常に所定の品質基準を満たし、安心・安全な医薬品を供給できる体制が整備されます。参考記事(~GMP省令の基礎知識~) データインテグリティ(Data Integrity)とは? データインテグリティとは、製造工程や品質管理で扱われる記録やデータが「正確」「完全」「一貫性」「改ざん不可」の状態で保持されることを指す概念です。具体的には、ALCOA+(Attributable, Legible, Contemporaneous, Original, Accurate + 完全性や持続性など)といった指針を満たすことで、記録の改ざんや抜け漏れ、不正確なデータ入力を防ぎます。 概念の位置付け: GMPの中で重要視される要素であり、電子システムや文書管理を運用する際に遵守しなければならない基準。 詳しくはこちらの記事をご覧ください(製薬業界におけるデータインテグリティ(Data Integrity:DI)とは?) 医薬品業界における品質保証の課題 医薬品の品質保証(QA)は近年、法規制の強化や国際規格の標準化が進む一方で、人材不足やプロセスの複雑化といった課題が表面化しています。 他にも、そうした理由から業務を短縮し、製造・流通のプロセスを今までよりも高速で行うことが求められるようになりました。 その他にも、海外規制や英語などの他言語対応を視野に入れたグローバル戦略も、医薬品の品質保証において重要なテーマとなっています。 人材不足が叫ばれている昨今、各企業がどのようにこれらの問題を解決していくかが、今後の大きな課題となります。こうした状況下で注目されているのが、AIなどの最新技術の活用です。 品質保証業務におけるAIの可能性について そもそも AI とは何か? 厚生労働省によると、AI(人工知能)の明確な定義は存在しないものの、一般的には大量の知識データに基づき、高度な推論を正確に行うことを目指す技術の総称とされています。AIは、異常検知、患者の診察、画像解析といった分析・予測に特化した業務で活用されてきました。近年登場したChatGPTのような生成AIは、日常業務の効率化や相談など、その利用範囲を広げています。AIといっても、分析が得意なAIと、創造が得意な生成AIとでは役割が違います。 従来のAIが「分析・予測」を主な機能とするのに対し、生成AIはそれらに加え、“新しいコンテンツを創造する”能力を持つ点でAIの可能性を広げました。 業務効率化 – 人手作業の大幅削減 24/7 稼働 – 非稼働時間ゼロ 意思決定の高度化 – データドリブンな判断 イノベーション創出 – 新サービス/ビジネスモデルの土台 複数言語での対応が可能 これらの人間とは異なる特徴を持つAIは製薬におけるQA業務にどのような影響を及ぼすでしょうか。 品質保証(QA)業務を大幅に削減するQAI Generatorとは? 弊社が提供するQAI-Generatorは、独自の大規模言語モデル「EQUESアルゴリズム」を用いたAIであり、以下のような機能で、課題を解決します。 最大7割の業務短縮効果: 文書に必要な情報を入力するだけで、AIが自動的に文書を作成し、「膨大な種類の複雑な文書作成に時間がかかる」業務を短縮、QA業務の高度化・煩雑化による品質の不安定化や供給不安を解決します。 情報の抜け漏れを防止: 文書に必要な情報に応じて、質問をカスタマイズすることが可能です。項目を設定することで、情報の抜け漏れを防止し、均一な文書を作成することが可能です。グローバルにご活用いただけるよう、英語などの外国語にも対応しています。 ユーザーフレンドリーなUI: 質問に答えるだけでAIが自動で文書の生成を行います。質問項目もカンタンで、項目の選択やメモ、箇条書き程度の簡易な入力で完了します。 セキュア環境で情報漏洩のリスクにも対応: セキュリティ対策が施されたセキュア環境で実行できるため、情報漏洩のリスクを回避できます。 貴社のデータを生成AIに学習させることにより、箇条書き程度の入力でもしっかりとした文章を出力します。その技術により実際の業務にQAIを導入した結果、文書作成・レビュー時間を最大7割削減、短縮できたという事例があります。(詳しくはこちらの動画にて説明がございます。 トライアルご説明動画.mp4)また、使用量に応じた料金体系のため、無駄なコストを抑えることが可能です。 Webページでの詳細はこちらをご覧ください。 まとめ |製薬の品質保証の新しい時代 本記事では、医薬品業界における品質保証(QA)の基本的な概念から、業界が抱える課題、そしてその解決策となりうるAI技術の活用について解説しました。特に、文書作成業務の効率化は、品質保証に関わる業界にとって喫緊の課題であり、AIはその解決に大きく貢献できる可能性を秘めています。 本記事の要約 品質保証(QA)は、医薬品の安全性、有効性、品質を保証する重要な活動です。 製薬業界では、文書作成の煩雑さ、人材不足、グローバル展開への対応などが課題となっています。 AI技術、特に弊社のQAI-Generatorは、質問に答えるだけで品質保証に必要な文書を自動作成し、業務効率化に貢献します。 品質保証業務の効率化に関心をお持ちでしたら、ぜひ一度弊社のQAIについてお気軽にお問い合わせください。AIの力で、より効率的で質の高い品質保証体制の構築をサポートいたします。オンラインでの説明なども行っておりますので、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
ローカルLLMとは?始め方からPCスペックまで徹底解説
2025.07.19
ChatGPTをはじめとする生成AIのビジネス活用が急速に進む中、弊社EQUESにも、こんなご相談が増えています。 「社内の機密情報や顧客データをAIに入力するのが不安…」 「汎用AIでは物足りない。自社業務にフィットしたAIを作れないか?」 「ネット接続が不安定でも、安定して使えるAIはない?」 こうした悩み、あなたも感じたことがあるかもしれません。クラウド型のAIサービスは便利な一方で、情報漏洩リスクや機能の限界といった課題も抱えています。 それらを解決する有力な選択肢が、今注目されている「ローカルLLM(大規模言語モデル)」です。 ローカルLLMとは、インターネットに依存せず、自社のPCやサーバー、あるいは自分のノートパソコンなどのローカル環境で動作するAIのこと。私たちも現場で多くの導入支援を行う中で、この技術がプロジェクト成功のカギとなった事例を数多く見てきました。 本記事では、AI導入支援のプロである弊社が、 ローカルLLMとクラウドLLMの違い 導入前に知っておきたいメリット・デメリット 2025年最新のおすすめ日本語モデル 始め方や必要スペック、活用事例 などを、わかりやすく網羅的に解説します。読み終える頃には、ローカルLLMがあなたの会社にとって最適な選択肢かどうか、明確な判断ができるはずです。本記事があなたやあなたの組織のAI活用を次のステージへ進める一助となれば幸いです。 そもそもローカルLLMとは?クラウドLLMとの違い 「最近よく聞くローカルLLMって、一体何?」「いつも使っているChatGPTとは違うの?」 そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 一言でいうと、ローカルLLMとは「あなたのパソコンや社内のサーバーなど、手元の閉じられた環境(ローカル環境)で直接動かすAI」のことです。 この説明だけでは、まだピンとこないかもしれません。そこで、多くの人が使い慣れているクラウドLLM(ChatGPT, Google geminiなど)と比較すると、その違いが非常によくわかります。 AIがどこで動いているか?それが最大の違い 私たちが普段、ブラウザから利用するChatGPTやGoogleのGeminiといったAIは「クラウドLLM」と呼ばれます。これは、AIのプログラム本体が、サービスを提供するGoogleやOpenAI(ChatGPT)といった企業の巨大なコンピューター(クラウドサーバー)上にあり、私たちはインターネットを通じてその機能を使わせてもらっている、という仕組みです。 【図1】クラウドLLMの仕組み。ユーザーが入力したデータはインターネットを経由して外部のサーバーで処理される。 クラウドLLMは、自分のPCに負荷をかけることなく、いつでも最新・最高のAIを手軽に利用できるのが大きなメリットです。しかしその一方で、入力したデータは必ずインターネットを通じて外部のサーバーに送信されます。そのため、「社内の機密情報や個人情報を入力するのはセキュリティ的に不安だ」という懸念が常に付きまといます。 それに対してローカルLLMは、AIのモデル自体を自分のPCや社内サーバーにダウンロードしてきて、その中で動かします。 ▲【図2】ローカルLLMの仕組み。データもAIの処理もすべて手元のPCやサーバー内で完結する。 この仕組みの最大のメリットは、入力したデータがPCやサーバーから一切外に出ないことです。インターネットに接続していないオフライン環境でも利用できるため、情報漏洩のリスクを限りなくゼロに近づけることができ、非常に高いセキュリティを確保できます。 クラウドLLMとローカルLLMの比較まとめ 比較項目クラウドLLM (例: ChatGPT, Gemini)ローカルLLM (例: Llama 3, Mistral)動作場所インターネット上の外部サーバー手元のPC、社内サーバーデータ外部に送信される外部に送信されない手軽さ◎ サインアップするだけ△ 導入に少し手間がかかるPC負荷ほぼ無い高いセキュリティ△ サービス提供者に依存◎ 非常に高いネット接続必須不要 このように、クラウドLLMとローカルLLMの最も大きな違いは、「AIがどこで動いているか」そして「あなたのデータが外部に出るか、出ないか」という点にあります。 この根本的な仕組みの違いが、次の章で解説する「なぜ今ローカルLLMが重要視されるのか」という理由に直結してくるのです。 なぜ今、ローカルLLMが重要視されるのか?注目の背景 なぜ今、これほどローカルLLMが注目されているのでしょうか。その背景には、大きく分けて3つのトレンドがあります。 1. セキュリティ・コンプライアンスへの強い要請 生成AI利用時の情報漏洩リスクや、世界的に強化されるデータ保護規制(コンプライアンス)を背景に、「機密データを外部サーバーに送信したくない」というニーズが急増しています。データを手元で完結させるローカルLLMの仕組みが、この時代の要請に完璧に応える形となりました。 2. AIモデルの劇的な進化と小型化 かつては専門機関の巨大な設備でしか動かせなかった高性能AIが、技術の進化により、一般的なPCでも扱えるほど高性能かつ小型化しました。特に、オープンソース(一般に公開されている)で優れたAIモデルが次々と登場したことで、誰もが高品質なAIを手元で動かす環境が整ったのです。 3. ビジネスニーズの深化とカスタマイズ要求 AI活用が本格化するにつれ、「自社の専門用語を理解させたい」「社内文書だけを学習させたい」といった、企業独自の深いカスタマイズ要求が高まっています。外部サービスの制約を受けずにモデルを自由に改良できるローカルLLMは、こうした専門的なニーズに応えるための最適な基盤となっています。 この「セキュリティ」「技術」「ビジネスニーズ」という3つの波が重なり合ったことで、ローカルLLMの重要性は急速に高まっているのです。 【徹底比較】ローカルLLM vs クラウドLLM あなたに最適なのはどっち? ローカルLLMとクラウドLLM、それぞれに明確なメリット・デメリットがあり、どちらが一方的に優れているというわけではありません。 あなたの目的、予算、そして技術力によって最適な選択は異なります。ここでは、AI導入を検討する上で特に重要な6つの観点から両者を徹底比較します。この章を読めば、あなたにとってどちらが最適か、その輪郭がはっきりと見えてくるはずです。 一目でわかる!ローカルLLM vs クラウドLLM 比較表 まずは、両者の違いを一覧表で確認しましょう。 比較項目ローカルLLMクラウドLLM (ChatGPT等)(1) セキュリティ◎ 非常に高い△ サービス提供者に依存(2) カスタマイズ性◎ 高い(モデル内部も可)〇 限定的(API経由が主)(3) コスト初期費用:高 / 継続費用:低初期費用:低 / 継続費用:高(4) パフォーマンス△ PCスペックに依存◎ 常に最高レベル(5) 導入・運用の手間△ 専門知識が必要◎ 非常に簡単(6) オフライン利用◎ 可能× 不可 各項目の詳細解説 なぜこのような評価になるのか、項目ごとに詳しく見ていきましょう。 (1) セキュリティ これは両者の最も大きな違いです。ローカルLLMは、入力したデータがPCやサーバーから一切外に出ないため、物理的に情報漏洩のリスクを遮断できます。機密情報や個人情報を扱う上で、これ以上ない安心感があります。一方、クラウドLLMも提供事業者が堅牢な対策を講じていますが、データを外部に送信する以上、リスクをゼロにすることはできません。 (2) カスタマイズ性 ローカルLLMは、オープンソースのモデルをベースに、モデルの内部構造まで手を入れて改良する「ファインチューニング」が可能です。これにより、自社の専門業務に完全に特化した、世界に一つだけのAIを育てることができます。クラウドLLMのカスタマイズは、APIを通じて行える範囲に限られるため、ここまでの自由度はありません。 (3) コスト コスト構造が正反対です。ローカルLLMは、AIを動かすための高性能PCやサーバーといった初期費用が高額になりがちです。しかし一度環境を構築すれば、どれだけ使ってもAPI利用料のような継続費用はかかりません(※電気代・人件費を除く)。 クラウドLLMは、初期費用はほぼゼロですが、使った分だけ料金が発生する従量課金制が基本です。本格的にビジネスで活用し、利用量が増えると継続費用が想定以上に膨らむ可能性があります。 (4) パフォーマンス 純粋なAIの性能や回答速度は、クラウドLLMに軍配が上がります。サービス提供者が莫大な投資で維持している最新・最高のAIをいつでも利用できます。 私も自分のノートパソコンでLM Studioというアプリを入れてローカルLLMを使っていますがパフォーマンスについては 生成にかかる時間 → PCの性能次第 回答のレベル・正確さ → クラウドLLMの方が上 という印象です。ちなみにMacBook Air2020を使っていますがストレスに感じるほど遅いことはありません。 (5) 導入・運用の手間 手軽さではクラウドLLMが圧勝です。アカウントを登録すれば、誰でもすぐに使い始められます。ローカルLLMは、学生などが個人でやるのは簡単ですが、会社などの組織単位で会社のサーバにローカルLLMを取り入れるとなると環境構築、モデルの選定、アップデート対応など、専門的な知識と運用工数が必要です。 結論:あなたへのおすすめはどっち? ここまでの比較を踏まえ、あなたがどちらを選ぶべきかをまとめます。 ☆ ローカルLLMがおすすめな人・企業 セキュリティを最優先し、機密情報や個人情報を扱う(金融、医療、法務など) 独自の業務に特化したAIを深くカスタマイズしたい APIの継続的なコストを避けたい、またはオフライン環境でAIを使いたい ☆ クラウドLLMがおすすめな人・企業 初期費用をかけず、とにかく手軽に最新のAIを試してみたい AIの運用に手間や専門人材をかけたくない 常に最高性能のAIを利用したい ローカルLLMの始め方 1:必要なPCスペック・デバイス 「ローカルLLMを始めたい!」と思ったとき、多くの方が最初に直面するのが「一体、どんなPCが必要なんだろう?」という壁です。 実は、チャットで少し試すだけの場合と、本格的なAI開発を行う場合とでは、求められるPCスペックは全く異なります。ここでは、ローカルLLMの用途を3つのレベルに分けて、それぞれに必要なデバイスの要件を具体的に解説します。 最重要パーツはGPU!特に「VRAM」の容量がカギ スペックの話に入る前に、最も重要なポイントをお伝えします。ローカルLLM用のPCで最も重要なパーツは、GPU(グラフィックボード)です。そして、GPUの性能の中でも特に「VRAM(ビデオメモリ)」の容量が決定的な役割を果たします。 なぜなら、LLM(大規模言語モデル)は、その名の通り巨大な「言葉の辞書」のようなものです。この辞書を作業机に広げておく場所がVRAMにあたります。 VRAM(作業机)が広ければ広いほど、より大きくて賢い辞書(LLMモデル)を快適に扱える、とイメージしてください。動かしたいLLMのモデルサイズ(7B、13B、70Bなど ※BはBillion=10億)によって、必要なVRAM容量が決まります。 ※VRAM、メモリなどの用語がわからない方はこちらからお読みください。 【レベル1】まずはお試し!入門レベルのPCスペック 目的: 比較的小規模なモデルを動かし、ローカルLLMがどんなものか体験する。 GPU: NVIDIA GeForce RTX 3060 / RTX 4060 VRAM: 12GB (※同じモデル名でもVRAMが8GB版など複数あるため注意が必要) メモリ (RAM): 16GB 以上 CPU / ストレージ: 最近のモデルであればOK。高速なSSD推奨。 まずはここから。このスペックでも多くの小規模モデルを快適に試すことができ、ローカルLLMの始め方としては十分な構成です。 【レベル2】実用・開発向け!ミドルレンジのPCスペック 目的: より高性能なモデル(13B〜30Bクラス)を動かし、本格的な開発や実用的なタスクをこなす。 GPU: NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER / RTX 4080 SUPER VRAM: 16GB 〜 24GB メモリ (RAM): 32GB 以上 CPU / ストレージ: Core i7 / Ryzen 7 以上。1TB以上の高速NVMe SSD推奨。 本格的な活用やAI開発を目指すなら、このレベルのスペックを目標にしたいところです。多くの開発者がこの範囲のデバイスを使用しています。 【レベル3】本格運用・研究向け!ハイエンドPCスペック 目的: 70Bクラス以上の巨大モデルの実行や、独自のAIモデルを開発する「ファインチューニング」を行う。 GPU: NVIDIA GeForce RTX 4090 VRAM: 24GB (場合によってはプロ向けGPUの複数枚構成も視野に) メモリ (RAM): 64GB 〜 128GB 以上 CPU / ストレージ: Core i9 / Ryzen 9 クラス。 これは、専門的な研究や企業でのAIサービス運用など、パフォーマンスを極限まで追求するためのプロフェッショナルな構成です。 補足:MacやGPUなしのPCでも動かせる? Macの場合: Apple Silicon(M1/M2/M3/M4)搭載のMacは、「ユニファイドメモリ」という仕組みにより、ローカルLLMと非常に相性が良いです。大容量のメモリ(32GB以上)を搭載したMacBook ProやMac Studioは、ミドルレンジPCに匹敵する性能を発揮することがあります。 GPUなし(CPU実行)の場合: Llama.cppといったツールを使えば、GPU非搭載のPCでもCPUでモデルを動かすことは可能です。ただし、生成速度はGPUに比べて大幅に遅くなるため、「とりあえず動かしてみる」という体験用途に限られます。 クイックスタート! まずはパソコンにローカルLLMのアプリをインストールしてみましょう ローカルLLMアプリの一つLM Studioのインストール方法はこちら! 最適なPCスペック選びはEQUESにご相談ください! ここまで具体的なスペックを解説してきましたが、「結局、自分の目的に一番合うPCはどれ?」「BTOパソコンでどんな構成にすればいいか分からない…」と、かえって悩んでしまった方も多いのではないでしょうか。 弊社EQUESは、AI開発の専門知識を活かし、ローカルLLMの導入目的やご予算に応じた最適なハードウェアの選定からご相談に乗ることが可能です。PCスペック選びで迷ったら、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。 ご相談はこちら ローカルLLMの始め方 2:具体的な活用事例 「高性能なPCが必要なことは分かったけれど、実際にどんなことに使えるの?」 ここでは、ローカルLLMの強みである**「高いセキュリティ」「自由なカスタマイズ」「オフライン利用」を活かした、具体的な活用事例**を3つの視点からご紹介します。 【経営層・ビジネス部門向け】機密情報を守り抜く!セキュアな社内AIアシスタント 企業の競争力の源泉である機密情報。これをクラウドAIに入力することに躊躇する経営者は少なくありません。ローカルLLMなら、その心配は不要です。 活用事例(1):社内文書検索システム(セキュアRAG) 社内規定、過去の議事録、製品マニュアル、財務データといった機密文書をローカルLLMに学習させます。社員は「昨年のAプロジェクトの最終報告書はどこ?」と自然な言葉で質問するだけで、AIが瞬時に該当箇所を提示。セキュリティが担保されているため、どんな機密文書でも安心してAIの分析対象にでき、社内の情報資産を最大限に活用できます。 活用事例(2):高セキュリティ社内チャットボット 人事評価や経費精算のルールなど、社員からの定型的な問い合わせに24時間対応するチャットボットを構築。個人情報を含むデリケートな質問にも、情報を外部に出すことなく安全に応対できます。 【開発者・エンジニア向け】外部に頼らない!自由なAI開発・コーディング支援 ソースコードは企業の重要な知的財産です。また、集中したい時や移動中にオフラインで開発したいというニーズも多くあります。 活用事例(3):セキュアなコーディング支援 手元のPCで動作するコーディング特化のローカルLLM(例: Code Llama)を導入し、開発エディタと連携。外部にソースコードを一切送信することなく、コードの自動補完やバグの修正、仕様書からのコード生成といった高度な支援を受けられ、開発効率が飛躍的に向上します。 活用事例(4):オフラインでの開発ドキュメント検索 飛行機の中や客先のサーバー室など、インターネットが使えない環境でも、技術ドキュメントを学習させたローカルLLMが最高の相談相手に。エラーメッセージの意味を尋ねたり、ライブラリの使い方を質問したりと、オフラインでも開発作業を止めることがありません。 【クリエイター・一般向け】ネット不要!いつでもどこでも創造活動 インターネット環境やクラウドサービスの利用規約に縛られず、自由な発想で創作活動に集中したい、という方にもローカルLLMは最適です。 活用事例(5):オフラインでの執筆・アイデア出し 移動中の新幹線やカフェで、ブログ記事の草稿作成や、小説のプロット整理、論文の要約などが可能に。インターネット接続を気にせず、いつでもどこでもAIを思考のパートナーとして使えます。 活用事例(6):完全プライベートな対話AI 自分の好きな性格や口調にカスタマイズしたAIと、誰にも見られることのないプライベートな空間で自由に対話できます。学習や趣味の壁打ち相手として、創造性を最大限に引き出してくれます。 このように、ローカルLLMは専門家だけのものではありません。セキュリティが最重要となるビジネスの現場から、開発者の生産性向上、個人の創造活動まで、アイデア次第でその活用事例は無限に広がります。 あなたの業務や環境に、ローカルLLMをどう活かせるか、ぜひ想像してみてください。 ローカルLLM導入の課題をEQUESがワンストップで解決します ここまでローカルLLMの魅力や可能性について解説してきましたが、同時に「専門知識が必要そう…」「最適なPCを選ぶのが難しそう…」といった不安を感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ご安心ください。それらの課題こそ、私たちAIのプロフェッショナルである弊社EQUESが、ソフトウェア(知見・ノウハウ)とハードウェア(実行環境)の両面からワンストップで解決できる領域です。 課題(1) 専門知識の不足:技術顧問サービス「AI×DX寺子屋」 どんなに優れたツールも、どう活用すれば良いかという知見がなければ価値を発揮できません。「AI導入で何から手をつければいいか分からない」「技術的な疑問をすぐに解決したい」そんな声にお応えするのが、EQUESの技術顧問サービス「AI×DX寺子屋」です。 チャットで東大の専門家チームにいつでも気軽に質問でき、AIの活用方針に関する壁打ちから、具体的な実装の相談まで、まるで貴社の専属AIチームのように伴走します。 課題(2) 環境構築:ハードウェア選定から導入まで伴走サポート ローカルLLMのパフォーマンスは、土台となるハードウェアによって決まります。しかし、無数にある選択肢から最適な一台を選ぶのは至難の業です。 EQUESでは、この記事で解説したようなPCスペックの選定はもちろん、ご予算や目的に合わせた最適なハードウェア構成のご提案から導入まで、責任を持って伴走サポートします。「PC選びで失敗した」という高額なリスクを避け、スムーズなローカルLLM導入を実現します。 専門家の知見(ソフトウェア)から、最適な実行環境(ハードウェア)まで。 ローカルLLMに関するお悩みは、どんな些細なことでもEQUESにご相談ください。あなたの会社に最適なAI活用の形を、一緒に見つけましょう。 まとめ 本記事では、ローカルLLMについて、その基礎から具体的な活用法、導入のポイントまでを網羅的に解説しました。最後に、重要なポイントを振り返りましょう。 ローカルLLMの最大の強みは、データを外部に出さない「高いセキュリティ」と、自社仕様に改良できる「自由なカスタマイズ性」にあります。 そのメリットを享受するには、「高性能なPC(特にGPU)」と、それを扱う「専門知識」という導入ハードルが存在します。 ビジネスでの機密情報活用から個人の創造活動まで、アイデア次第でその活用方法は無限に広がります。 弊社は、「専門家の技術顧問」と「最適なハードウェア選定」の両面から、ローカルLLM導入の課題をワンストップで解決します。 ローカルLLMは、もはや一部の専門家だけのものではなく、多くの企業や個人にとって現実的で強力な選択肢となっています。 この記事が、あなたのAI活用を次のステージへ進めるための一助となれば幸いです。導入に関するご相談や、具体的なお悩みがあれば、どうぞお気軽に弊社までお問い合わせください。 ご相談・お問い合わせはこちら
AI導入の第一歩|中小企業向けの事例と始め方
2025.07.09
近年、大企業から中小企業まで様々な業界でAIが導入され始めています。こうした流れの中で、 ・「気になるけど難しそうだしよくわからない」 ・「ウチには無理そう」 と考えている方も多いのではないかと思います。 この記事ではそうした方に向けて、 AIの基本知識 AIに何ができるか 中小企業に適したAIツール、サービスの選び方 AI導入におけるメリット、デメリット、注意 ・コスト感、費用対効果 について深掘りしていきます。本記事を通してまずはツールとしてのAIに親しみを感じていただき、AI導入の第一歩としていただければ幸いです。 AIのキホン そもそもAIとは? AI(人工知能)とは、一言でいえば「人間のように考え、判断して処理を行うシステム」のことです。 正式には “Artificial Intelligence(人工知能)” と呼ばれ、厚生労働省の「AIの定義と開発経緯」では、「明確な定義は存在しないが、大量の知識データに対して、 高度な推論を的確に行うことを目指したもの」とされています。 つまり、AIとは人間の学習や判断を模倣するコンピュータ技術であり、膨大なデータを学習し、そこからパターンを見つけ出して予測や意思決定を行う「機械学習」がその基盤となっています。 AIの種類 ひとえに「AI」といっても、以下のようにAIには様々な種類があります。業務に活用するうえで知っておいて損はないでしょう。 1. 生成AI(Generative AI) 概要: 画像、文章、音声、プログラミングコードなどを指示に応じて「生成」するAI。 活用例: 顧客対応メールの下書き作成 マーケティング資料のたたき台 コード補完・ドキュメント作成 代表ツール例: ChatGPT(OpenAI): 高精度な文章生成・要約・翻訳が可能なAIチャット。業務支援にも広く活用。 Canva(Magic Write): マーケ資料やSNS投稿用の文書生成ツール。 GitHub Copilot: コードの補完や関数の自動生成をサポートする開発支援AI。 2. 認識AI(認識・分類系AI) 概要: 画像・音声・テキストなどの情報を「認識」し、自動的に分類や処理を行うAI。 活用例: 請求書のスキャン→自動仕訳 店舗の監視カメラ映像分析 コールセンター音声の文字起こし 代表ツール例: Google Cloud Vision AI: 画像の内容(テキスト・物体など)を自動で認識。 Microsoft Azure Form Recognizer: 請求書・契約書などの帳票データを自動読み取り。 Whisper(OpenAI): 音声を高精度でテキストに変換する音声認識モデル。 3. 予測AI(予測・分析系AI) 概要: 蓄積されたデータから傾向を学習し、将来の数値や行動を「予測」するAI。 活用例: 季節ごとの販売予測 優良顧客の抽出 クレーム発生リスクの予測 代表ツール例: DataRobot: ノーコードで予測モデルを構築できる自動機械学習プラットフォーム Amazon Forecast: 時系列データに基づく精度の高い予測を自動生成。 Tableau + AIモデル: 分析ダッシュボードとAI予測を連携させて意思決定支援。 4. 対話AI(チャットボット・FAQ系AI) 概要: 人と自然な対話を行いながら問い合わせ対応や業務サポートを行うAI。 活用例: ECサイトのお問い合わせ対応 社内ツールの使い方ナビゲーション 採用候補者への自動返信 代表ツール例: KARAKURI chatbot: 日本語に強いFAQ特化型チャットボット。 Zendesk AI: 顧客対応の自動化とサポートスタッフの負担軽減を両立。 LINE AI Chatbot: LINE上での自動応答やサービス提供を実現する対話AI。 AI導入のメリット・デメリット・注意点 AIの導入は、業務効率のアップやコスト削減といった大きなメリットがある一方で、注意すべき点もあります。でも、特徴やリスクをしっかり理解して使えば、AIは心強い味方になります。まずはできるところから、無理なく取り入れていくことが成功のカギです。 ■ AI導入の主なメリット (1) 定型業務の自動処理による作業効率の向上 AIを活用することで、繰り返し発生する業務を自動化し、作業時間を大幅に短縮できます。たとえば、カスタマーサポートの分野ではAIチャットボットの導入により、24時間体制での対応が実現され、オペレーターの負担軽減にもつながっています。 (2) 人件費の最適化 AIに業務の一部を任せることで、少人数でも多くの作業をカバーできる体制を築けます。製造現場では、AIによる外観検査システムが導入され、人の目によるチェック作業を減らしながら、検査の正確性を高めた事例があります。 (3) データ活用による迅速な意思決定 AIは膨大なデータを瞬時に解析し、現場にとって有益な情報や傾向を抽出します。たとえば小売業では、購買履歴の分析を通じて売れ筋商品の予測や在庫管理の最適化が行われ、ビジネスチャンスの損失防止に寄与しています。 ■ 想定されるデメリット (1)導入費用と運用の手間がかかる AIシステムの導入には、高性能な機器や専用ソフトウェアの調達が必要となり、初期投資が大きくなる傾向があります。また、導入後も継続的なメンテナンスやトラブル対応、アップデートが欠かせません。 (2)AIを扱える人材の不足 AIを効果的に運用するためには、機械学習やデータ処理のスキルを持つ人材の確保が不可欠です。しかし、専門人材の需要は高く、採用・育成には時間とコストがかかります。 (3)誤判断や偏りによるリスク AIは学習データに依存して判断を行うため、元データに偏りがあると、意図しない判断ミスや差別的な結果を引き起こす可能性があります。たとえば、採用システムにおいて特定の属性に不利な評価が出るといった問題が現実に報告されています。 ■ 導入時の留意点 導入目的を明確にし、まずは小規模で試験運用することが重要です。 信頼性の高いデータと適切な管理体制(ガバナンス)を整備しましょう。 現場の担当者と連携し、使い方や意図を十分に周知・教育することも欠かせません。 AIは強力な業務支援ツールである一方、過度な期待や誤った運用は逆効果となることもあります。効果的な活用には、段階的な導入と現場に即した工夫が必要です。 具体的なAI導入の流れ〜失敗しないための5ステップ〜 「AIって、いきなり導入するのは難しそう…」そう感じている方も多いはずです。ですが、実際の導入は段階を踏んで進めればOKです。 ここからはより具体的に導入の流れを紹介していきます。 ステップ1|まずは「解決したい課題」を明確にする AI導入の第一歩は、「どんな業務の、どんな課題を解決したいのか?」を明確にすることです。 ▪️例: 毎日手入力している請求処理を自動化したい 営業日報の集計作業を減らしたい 問い合わせ対応に時間を取られすぎている このように、現場の具体的な困りごとを洗い出すことが出発点になります。目的が曖昧なままでは、AI導入の効果も見えづらくなります。 ステップ2|目的に合ったAIツール・サービスを選定する 課題が明確になったら、次は目的に合ったAIの種類やツールを選びます。前章で紹介した「生成AI」「認識AI」「予測AI」「対話AI」などから、必要なものを見極めましょう。 たとえば以下のような課題では、活用すべきAIの種類やツールがそれぞれ異なります。 課題活用できるAIのタイプ想定されるツール例毎月の請求書処理が手間認識AI(OCR)AI帳票読み取りソフト問い合わせ対応を自動化したい対話AIチャットボットツール売上予測を立てたい予測AI需要予測SaaSなど 最近では、専門知識がなくても使えるツールも多く登場しており、SaaS型で初期費用を抑えて導入できるものもあります。 ステップ3|いきなり全社導入せず「小さく試す(PoC)」 「これは使えそうだ!」と感じたツールが見つかっても、いきなり本格導入するのはリスクがあります。まずは一部業務や特定部署だけで試験的に導入してみましょう。これを「PoC(Proof of Concept)」=概念実証と呼びます。 PoCのメリット: 自社に合っているかを事前に確認できる 現場の反応や使い勝手を把握できる 想定通りの効果が出るか検証できる 失敗してもダメージは最小限。「小さく始めて、大きく育てる」ことが成功の秘訣です。 ステップ4|効果を測定しながら、本格導入へと広げていく PoCで手応えを感じたら、次は社内全体への本格展開です。ただしこの段階では、単にツールを導入するだけでなく、業務フローの見直しや社員教育も並行して進めることが大切です。 ポイント: 新しいツールを使うためのマニュアル整備 担当者の役割や連携の明確化 AIの出力を人がどう活用するかの運用設計 また、社内での合意形成(説明会・研修など)をしっかり行うことで、AIが「現場に根づく」導入になります。 ステップ5|導入後も定期的に振り返り、改善を続ける AI導入は「入れて終わり」ではありません。実際の運用が始まってからが本番です。継続的な効果測定と改善サイクルの構築が必要です。 チェックすべきポイント: 想定通りの効果は出ているか? 現場で使われ続けているか? 精度に課題があれば再調整できる体制があるか? ツールによっては、使うほどに精度が上がる(機械学習が進む)ものもあります。導入後も定期的にデータを見直し、柔軟に改善を重ねていくことが、長期的な成果につながります。 AI導入でよくあるつまずきポイント 「とりあえず流行っているから」と目的が曖昧なまま始めてしまう 効果検証なしでいきなり全社展開してしまう 現場に使われず“お飾りAI”になってしまう AI導入を成功させるには、現場の課題を丁寧にすくいあげ、段階的に運用することが何より大切です。 また、実際に導入をするとなるとわからないこともたくさん出てくるかもしれません。そうしたときにはAI導入の支援を行なっている企業などに相談してみるのも良いかもしれません。 弊社EQUESでもそうした相談サービスを行なっていますのでお困りの際はお気軽にご相談ください。 お問い合わせはこちら 中小企業に適したAIツール・サービスの選び方 ▪️ツール選定の三つの視点 1. 目的との適合性:何をAIで解決したいのかを明確に まず最初に、自社のどの業務にAIを導入したいのかをはっきりさせることが重要です。目的によって選ぶべきツールの種類も異なります。 業務の効率化が目的であれば、たとえば社内文書の仕分けや入力作業を自動化する「認識系AI」がおすすめです。 顧客対応の質やスピードを高めたい場合には、チャットボットや音声応答システムなどの「対話AI」が有効です。 売上データや顧客情報を分析して意思決定に活かしたいなら、データ解析に特化したAIツールが適しています。 目的が不明確なままでは、導入しても効果が実感できないまま終わってしまうリスクがあります。 2. 運用のしやすさ:専門知識がなくても使えるか 中小企業では、専任のIT人材がいないケースも多く見られます。そのため、ノーコードやローコードといった「専門知識がなくても扱える設計」のツールを選ぶことが、導入後の運用をスムーズにします。 管理画面が直感的で、誰でも操作できるか マニュアルやチュートリアルが整備されているか 問い合わせ対応や操作サポートが受けられるか といった点も事前にチェックしておくと、安心して現場に導入できます 3. コストパフォーマンス:価格だけでなく効果も重視 導入コストだけでツールを判断してしまうと、かえってコスパが悪くなることもあります。費用対効果の観点で、「どれだけの時間・手間が削減できるか」を含めて総合的に評価することが大切です。 月額費用に対して、どれだけの業務が自動化できるか? 人件費やミスの削減、スピードアップなどの効果は見込めるか? 長期的に見て自社の成長に貢献しうるか? 初期費用を抑えたプランや、一定期間のトライアルを提供しているサービスも多いため、まずは小規模な導入から試すのも一つの手です。 おすすめAIツール比較表 「どのAIツールを選べばいいかわからない」「自社の業務に合うツールはどれ?」という方のために、人気のAIツール10選を比較表にまとめました。 それぞれのツールについて、分類・主な機能・対象業務・月額費用の目安・導入のしやすさを一覧で紹介しています。業務効率化やコスト削減を実現したい企業の方は、ぜひ自社に合ったAIツール選びの参考にしてください。 ツール名分類主な機能対象業務月額費用目安導入のしやすさChatGPT(OpenAI)文章生成・業務効率化メール・提案書・議事録自動生成、要約、カスタマーサポート、アイデア出し事務全般、営業、カスタマーサポート無料~約3,000円(Plus)非常に導入しやすい(登録のみ)Canvaデザイン作成プレゼン・チラシ・SNS画像の自動作成、テンプレート活用、AI画像生成資料・広告・SNSコンテンツ制作無料~1,180円(Pro)非常に導入しやすい(直感的操作)HubSpotCRM・マーケティング顧客管理、メール・SNS自動化、リード分析、チャットボット営業、マーケティング無料~2,400円(Starter)比較的導入しやすい(無料プラン有)Notion AI文書管理・効率化議事録要約、文書自動生成、タスク管理、ナレッジ共有会議記録、社内文書管理1,650円/人~導入しやすい(既存Notion利用可)Senses(マツリカ)営業支援SFA商談記録、提案内容自動提案、アラート通知営業活動全般約10,000円~導入しやすい(国産・サポート有)amptalk音声AI・議事録商談自動文字起こし、要点抽出、ネクストアクション提示電話営業、インサイドセールス約30,000円~導入しやすい(音声特化)Sales Force Assistant営業支援SFA顧客管理、新規開拓、案件管理、訪問管理、AI秘書機能営業活動全般2,000円~4,500円/人導入しやすい(1名からOK)CustomerGeniusチャットボットFAQ自動生成・更新、問い合わせ自動振り分け、顧客感情分析カスタマーサポート、ECサイト運営8,980円~比較的導入しやすいAI-OCRらくスルー文書デジタル化紙文書のAI自動読み取り・データ化経理、総務、事務約30,000円~導入しやすい(ドラッグ&ドロップ)Zoom AI Companion会議支援会議自動文字起こし、議事録作成会議、打ち合わせ追加料金なし非常に導入しやすい(Zoom利用者向け) AI導入時の費用対効果をどう考える? AIツールを導入する際、「結局、元が取れるのか?」という視点は非常に重要です。費用対効果を定量的に把握するためには、以下のようなシンプルな計算式が役立ちます。 ◆ 費用対効果の簡易計算式 (削減できた作業時間 × 時給換算の人件費)- AIツールの導入コスト 例:ChatGPTを使って議事録作成を自動化した場合 1回の会議あたりの議事録作成時間:60分 → 10分に短縮(50分削減) 担当者の時給換算:2,000円 月の会議数:10回 ChatGPT Plusの月額料金:3,000円程度 → 削減できた時間の価値:50分 × 10回 × 2,000円 ÷ 60分 = 約16,600円 → 差引の効果(利益):16,600円 - 3,000円 = 約13,600円のコスト削減効果/月 このように、時間短縮によって生まれる「空いた時間=新たな価値創出」を可視化することで、AI導入の効果を社内でも説明しやすくなります。 もちろん、実際にはもっと複雑な要素も絡んできますが、この式は費用対効果をざっくり見積もる上では十分に役立つ指標になります。 まとめ 現在、AI導入は大企業で進んでいる一方、中小企業では導入率が半分程度にとどまっています。これは、中小企業にこそ大きな成長の余地があることを意味しており、今後の業務効率化や競争力強化に向けて、AIの活用がより重要になっていきます。 今では低コストかつ専門知識なしでも使えるAIツールが増え、導入のハードルは大きく下がっています。無料プランや直感的な操作性を持つツールも多く、まずは小さな業務改善から始めてみるのがおすすめです。 費用対効果もシンプルな計算で判断できますが、より的確に進めるには専門家のサポートを活用するのも有効です。 弊社EQUESでもAI導入のご相談を承っております。ツール選びに迷ったときや、自社に最適な活用法を知りたいときは、ぜひお気軽にお問い合わせください。 お問い合わせはこちら