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AI×DX寺子屋|茨城県立竜ヶ崎第一高校・附属中学校で「未来の教室」を開催
中高生が「AIエージェント」で地元企業の課題解決に挑む 株式会社EQUESは、2025年10月18日に茨城県立竜ヶ崎第一高等学校・附属中学校(以下、竜ヶ崎第一高校・附属中学校)で開催された「ホンモノのキャリア教育プログラム」において、「未来を拓くAI×人のチカラ」をテーマにした特別授業を実施しました。本授業は、生徒がAIの現代ビジネスにおける重要性や最先端技術「AIエージェント」について理解を深め、地元企業のリアルな課題解決に挑む、新しい形のAI×ビジネスワークショップとして展開されました。 開催の背景:学校の想いとEQUESの「AI×DX寺子屋」 今回の特別授業は、同校の太田垣校長先生から頂いた「次世代を生きる生徒たちに“ホンモノ”のキャリア教育を提供したい」というご相談がきっかけとなりました。 このご要望に対し、弊社が推進するAI相談サービス「AI×DX寺子屋」のカスタマイズプランを活用。「ビジネスにおけるAIエージェントの台頭」という未来を見据え、AIと“協働”するとはどういうことかを考える、未来創造型のAI×ビジネス授業として実施する運びとなりました。 また、地元企業の実際の課題を題材にすることで、生徒の柔軟な発想が企業に新たな視点をもたらすとともに、生徒自身の地元企業への理解と愛着をも深める、地域全体でのWin-Winな関係構築を目指しました。 【ご協力いただいた地元企業・研究機関様のご紹介(一部:掲載許可を頂いた企業様のみ)】 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 様 株式会社 常陽銀行 様 株式会社タナカ 様 高エネルギー加速器研究機構 様 一誠商事株式会社 様 授業概要:AIエージェントで未来のビジネスをデザインする 当日の授業は、講義とワークショップの二部構成で実施しました。 1. 講義:AIとビジネスの関係 授業前半では、当社スタッフが登壇。EQUESが手掛ける「伴走型技術開発」や「製薬AI事業」などの具体的なAIソリューション事例を紹介するとともに、「なぜ今、ビジネス環境にAIが必要なのか」、そして「AIエージェント」という最先端技術が未来をどう変えるかについて解説しました。AIが単なるツールではなく、ビジネスのあり方そのものを変革する力を持っていることを伝えました。 2. ワークショップ:AIエージェントを活用して地元企業の課題を解決する 後半は、3〜4人のグループに分かれ、「地元企業の課題を分解し、それを解決するAIエージェントを考える」というテーマで実践的なワークショップを実施。生徒たちはAIやPCツールを積極的に活用しながら活発に意見を交換しました。最終的には溢れたアイデアをワークシートにまとめ、教室に設置されたモニターを使って発表を行いました。 (↑写真:常陽銀行様のワークシートの例。生徒は、若者と高齢者など、世代や環境によってサービスを利用したくなる条件は大きく異なっているため、それぞれに合った施策が必要だと考え提案を行いました。) 授業の雰囲気:技術的な質問が飛び交う、ハイレベルな議論 初対面のグループが多い中、すぐに打ち解けて目標に向けた建設的な話し合いが始まり、和気藹々とした雰囲気ながらも白熱した議論が展開されていました。 生徒の皆さんからは沢山の新しい発想が提案され、「アイデアはたくさん出るが、どう企業のサービスと合致させていけばいいのか」などといった発展的な悩みの声が聞かれるなど、その想像力の豊かさには驚かされました。 また、講師陣に寄せられた質問は、「その技術は具体的にどうやって実現するのか?」「ビジネスとしての実現可能性は?」といった、技術的な側面や事業性にまで踏み込むハイレベルなものばかりでした。 (↑写真:講義中の雰囲気。生徒様は熱心に授業に耳を傾け、新しいAIエージェント技術の概要に興味津々でした。) 校長:太田垣先生のコメント 飛ぶ鳥を落とす勢いのAIビジネスから中高生のために貴重なお時間をいただき、心より感謝申し上げます。「AIエージェント」というリクエストに応え、単なる座学ではなく動きながら身に付けるワークショップ型の講座にまとめ上げていただいた情熱と使命感に敬意を表します。準備や進行についても教職員と緻密な調整を重ねていただき、参加した生徒・保護者にも大満足の質の高い講座を一緒に作り上げることができました。 私たち竜一は今後も時代の先頭を走る生徒たちを育てていきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 EQUESより:未来のイノベーターたちへの期待 今回、竜ヶ崎第一高校・附属中学校という非常に意欲的な生徒の皆さんとお会いでき、私たち自身も大きな刺激を受けました。 「AIエージェント」は、まだ社会に普及し始めたばかりの新しい技術です。それを中高生のうちからビジネスの視点で考え、具体的な実現可能性まで踏み込んで質問する生徒たちのポテンシャルに、深く感銘を受けています。 今回の授業が、生徒の皆さんが未来のイノベーターとして羽ばたくための一助となれば幸いです。EQUESは今後も、最先端のAI技術を社会に結ぶ架け橋となる活動を続けてまいります。 今回の授業を実現した「AI×DX寺子屋」について 「AI×DX寺子屋」は、東大生・東大出身者が7割を占めるEQUESのメンバーが、AIやDXに関する素朴な疑問や困りごとをチャットで回答し、お客様のAI活用やDX推進をサポートするサービスです。 AI専門家集団への相談し放題、AIツールの活用提案を特徴とする月額制の「プランA」のほか、今回のようなAI人材研修の実施、技術顧問、開発支援など、お客様の要望に応じて柔軟に内容を決定する「プランB(応相談)」も提供しています。 皆様がAIと歩む未来を創造する一助となれば幸いです。 AI×DX寺子屋の詳細はこちら
SOLIZE PARTNERSが語る、製造業のDXにおけるAI活用のはじめの一歩
■導入企業の紹介 SOLIZE PARTNERS株式会社(以下SOLIZE PARTNERS)は、日本で初めて3Dプリンターを導入して以来、長年にわたり日本のものづくりを支えているデジタルエンジニアリングのパイオニアです。昨今は社内のデジタルトランスフォーメーション(DX)にも取り組まれており、熟練技術のデジタル化による普及やAIを活用した新しいソリューション開発に注力されています。このたび、株式会社EQUESは、SOLIZE PARTNERSのAI技術導入による課題解決を支援するため、AI PoC(概念実証)サービス『ココロミ』を提供いたしました。導入から運用までの様子をインタビューさせていただきましたので、AI技術導入をお考えの方はぜひご一読ください。 ■SOLIZE PARTNERSの課題 SOLIZE PARTNERSがAI技術の導入において抱えていた課題は、「熟練技術者の頭の中にある情報をどうやってシステム化するか」というものでした。 AIによるDXを進めるにあたって、これまで熟練者が経験によって培ってきた感覚的で言葉にならないノウハウを、いかにAIのシステムに組み込み、活用に漕ぎつけるかという課題は、SOLIZE PARTNERSに限らずものづくり業界全体のDXにおける大きなボトルネックとなっています。 AI導入のプロジェクトを始めるにあたって、この課題を解決するべく、PoC(概念実証)からその分析、アクションプランの策定までを包括的に行う弊社サービス「ココロミ」が導入されました。 ■導入の経緯 「熟練技術者の頭の中にある情報をどうやってシステム化するか」という課題の中で、AIを活用する目的として立ち上がったのが「複数視点からの画像入力を用いた部品特徴の網羅的な検出」というテーマでした。 このテーマを軸に、SOLIZE PARTNERSとEQUESの共同検討がスタートしました。 ココロミを導入する決め手は、弊社が3D生成に関する豊富な経験を有していたことでした。例えば、株式会社セガ様との事業においては、ユーザが簡単なキーワード入力を行うだけでボクセル形式の3Dモンスターを生成するAIを開発した実績があります。(詳しくはこちら)。この開発をSOLIZE PARTNERSに認知していただいたことがご縁となり、共同開発が実現しました。 ■導入後の成果 ココロミでは、以下の2つのテーマでPoC(概念実証)を実施し、それぞれに新たな成果を得ることができました。 取り組み1:設計ナレッジの提案支援 最初の取り組みでは、特定の形状データから特徴を抽出し、それをもとに設計ナレッジを自動で提案するAIの実現性を検証しました。その結果、開発現場で直接活用できるレベルの設計知識をAIが提示できることを確認。従来のように過去資料や文献を検索する手間をかけずに、設計のヒントを得られるようになり、知見の再利用性が大きく高まりました。 取り組み2:3D CADデータの自動生成 次の取り組みでは、自然言語による指示からAIが適切な3D CADデータを生成できるかどうかを検証しました。その結果、単純な形状や構成であればAIによる自動生成が可能であることを確認しました。一方で、複雑な形状を扱う際には、構成部品となる要素データを事前に十分整備しておく必要があることも明らかになり、今後の改善の方向性が見えてきました。これらの検証を通じて得られた成果は、SOLIZE PARTNERSにおけるAI活用を現場レベルへ展開するための第一歩となりました。 ■ココロミ導入を通しての感想 ココロミの推進において、EQUESの徹底した伴走が大きな安心感につながったとのお言葉をいただきました。開発中、多くの技術的懸念や疑問に対し、担当PMエンジニアが都度、論理的な裏付けをもって丁寧に説明させていただきました。技術的な不確実性のあるテーマであったからこそ、一貫した伴走と安心感が、『ココロミ』の提供価値を高め、開発を成功に導くための心の支えとなったと評価いただいています。 さらに、AIという新しい技術への挑戦は、社内への新しい風となり、社員の意識を新たにする理由に繋がりました。 単なる技術検証に留まらず、AI活用に対する社内全体の意識を変革するという、文化的な成果も生まれました。 ■今後の展望 今回の『ココロミ』を通じて得られた知見と信頼関係を基に、SOLIZE PARTNERSはAI技術の応用をさらに深化させていく意向を示されています。 SOLIZE PARTNERS側の担当者様は、「ぜひ次の取り組みをやりたい」と力強く語り、自社の取り組みを継続していく決意を表明されました。 そして、今後の重要なテーマの一つとして、XAIの必要性が挙げられました。 (XAIとは…「説明可能なAI(Explainable AI)」の略。AI、特にディープラーニングは、なぜその結論に至ったのかという判断プロセスが複雑で、人間には理解しにくい「ブラックボックス」状態になることがある。XAIは、このブラックボックスの中身に説明を与え、AIの判断根拠や理由を人間が理解できる形で示すための技術やその研究分野を指す。AIの信頼性と透明性を高め、医療や金融、自動運転など、高い安全性が求められる分野で公正に活用されることを目指している。) SOLIZE PARTNERS側の担当者様は、「ブラックボックスになってしまいがちなAIの判断に説明の有無があることで、現場での意思決定に使えるかどうかは大きく変わる」と、実務における説明責任の重要性を強調されました。 株式会社EQUESは、『ココロミ』を通じて培われた具体的な知見と技術的な基盤をもとに、SOLIZE PARTNERSの新たな価値創造と産業の高度化を引き続き力強く支援してまいります。 SOLIZE PARTNERS HPにて、弊社CEO岸および本プロジェクトPMの村山のインタビューが掲載されております。詳しくはこちらからご覧ください。
AI-OCRで製造現場の記録を自動化|Cyto-Factoの導入事例
―導入した会社の紹介 Cyto-Facto(サイトファクト)は、神戸に拠点を置く細胞・遺伝子治療分野に特化したCDMO企業です。FBRIの細胞治療研究開発センターを継承し、PIC/S GMP準拠の製造体制を整備。開発から製造、品質試験まで一貫支援し、独自のシステムによるDX推進で、安全かつ高品質な先端治療の社会実装を目指しています。 ― 今回のプロジェクトを始められた背景について教えてください。 製造現場では、通信機能のない機器が多く残っており、液晶パネルや制御PCの画面に表示される情報を作業員が手作業で記録していました。従来のOCR技術では操作が難しい上、読み取り精度も不安定で、業務効率化には限界があったのです。そこで私たちは、AI-OCR技術を活用し、画像認識とデータ抽出の精度向上を目指すプロジェクトを立ち上げました。 ― 具体的にはどのような取り組みをされたのでしょうか? まず、液晶パネルや制御PC画面から取得した画像データをAI-OCRで読み取り、MESやLIMSへ自動入力する仕組みを検討しました。さらに、UIモック版やクラウド版のOCRシステムを開発し、音声入力によるデータ修正機能(日本語・英語対応)も実装しています。また、GMP/GCTP規制を考慮したインターフェース設計にも取り組みました。 ― 開発パートナーにEQUESを選ばれた理由は何ですか? EQUES様は高精度AI-OCR技術の開発実績を持ち、医療や製造分野でのGMP対応経験が豊富でした。また、オフライン環境でのOCR対応力やMES/LIMSとの連携を見据えた提案力・技術力も魅力的でした。複数の課題に対し具体的な解決策を提示していただいたことも大きな決め手です。 ― これまでにどのような成果が得られていますか? UIモック版OCRの社内動作を確認済みで、音声入力によるデータ修正機能のデモも実施しました(日本語・英語対応)。さらに、GPTモデルを活用したクラウド版OCRの開発も進行中です。サンプル画像では100%の認識精度を達成しており、GMP対応を見据えた修正履歴管理機能の設計にも着手しています。 ― 現場からの反応はいかがでしょうか? 「計画通りに開発が進んでいる」「進捗共有がタイムリーで非常にスムーズ」「本開発に向けた準備が円滑に進んだ」といった声が多く寄せられています。現場にとっても大きな期待感につながっていると感じています。 ― 今後の展望を教えてください。 今後は、GMP/GCTP対応を含めたインターフェース設計の詳細化を進めていきます。さらに、iOSやAndroidに対応したアプリの開発や、動画・動的テロップの認識といった新たな機能拡張にも取り組んでいく予定です。
東北電力×EQUES|部門専用スライド生成AIの導入事例
■導入会社の紹介 東北電力事業創出部門では、東北・新潟地域におけるスマート社会の実現を目指し、新規事業開発を推進しています。その中で、AI関連サービスとして、GPUクラウドサービスや東北・新潟におけるお客さまへのAIの導入支援を行っています。 ■顕在化した課題 新規事業開発という業務の性質上、事業創出部門では、日々多くのスライドを作成しています。ディスカッション資料から、提案書、さらには社内向けの進捗報告資料まで、その種類は多岐にわたります。これらのスライド作成に費やす時間より,情報収集や事業企画といった考える仕事等に時間を割きたいことが課題となっていました。 ■導入した経緯、理由、決めて 以前より、1Day研修やGPUクラウド、さらには共同でのイベント登壇といった幅広い領域でEQUES様と協業していました。そうした関係性の中で、スライド作成における課題をお伝えし、事業創出部門専用のスライド生成AIの研究を行うこととなりました。AIモデル開発に長けた優秀なエンジニアが在籍し、スピード感をもって開発を進められるというEQUES様の強みが決めてとなりました。 ■導入後の成果 現在、本格的な開発に向けた研究段階ですが、すでにスライド作成の業務効率化に貢献する兆しが見え始めています。既存のスライド生成AIサービスとは異なり、事業創出部門のフォーマットやテイストに合わせたスライドが生成できつつあります。また、UIについても部門メンバーが利用しやすいように設計いただきました。 ■社内での声 研究段階のため、まだ本格的な利用には至っていませんが、部門内での期待は高まっています。研究の概要を伝えたところ、「早く使ってみたい」「使い勝手が良さそうだ」といったポジティブな声が多く寄せられました。今後もEQUES様と連携し、本番環境に向けた研究・開発も前向きに検討していきたいと考えています。 ■今後の展望 スライド生成AIに加え、EQUES様とは引き続き、GPUクラウドやパーソナルLLM構想など、多岐にわたるテーマで協業を検討していきたいと考えています。EQUES様の先進的な技術力と、当社の事業を深く理解し伴走してくれる姿勢に信頼を置いています。引き続き、EQUES様と密接に連携し、東北発のスマート社会実現に向けた新たな価値創出を目指していきます。
Essencimoが語る、生成AI活用の第一歩と「AI DX寺子屋」導入の実感
■導入企業の紹介 株式会社Essencimoは、2019年4月に設立された、補助金申請支援を主力とする成長企業です。東京・千代田区に本社を構え、約30名の若手中心のチームで運営されています。同社の中心サービス「補助金オフィス」は、年間採択率90%以上という業界屈指の実績を誇り、これまでの累計採択額は15億円以上に達します。ものづくり補助金や事業再構築補助金といった中小企業庁関連の各種補助金申請はもちろん、採択後の報告書作成まで、一貫したサポートを提供しているのが特徴です。経済産業省認定の認定経営革新等支援機関として、数千の全国補助金に対応できる専門性を持ち、一般的な採択率35%を大きく上回る実績で、業界における確固たる信頼を築いています。代表取締役の杉田龍惟氏は東京大学経済学部を卒業後、学生時代から補助金業界に携わり、同社を創業。「社会システムの合理化により、意味のあるシゴトだけに取り組める状態を目指す」という理念を掲げ、表面的な支援に留まらず、企業の根本的な課題解決に注力しています。 ■顕在化した課題 株式会社Essencimoでは、生成AIの本格的な活用に向けて、ある種の壁に直面していました。現場の従業員からは「そもそも生成AIをどう業務に取り入れたらいいのか分からない」という声が聞かれ、AIリテラシーには個人間で大きなばらつきがあるのが実情でした。積極的に使おうとするメンバーがいる一方で、その機能を十分に引き出しきれていないという課題も存在していました。これは、会社全体として生成AIの統一的な活用方針やガイドラインが定まっておらず、個々の取り組みに任されている部分が大きかったためです。結果として、生成AIを導入して業務効率化や新たな価値創造を目指したいものの、具体的な活用方法やその効果をどう測るべきかが不明瞭な状態が続いていたのです。 ■導入の経緯・理由・決め手 このような状況下で、株式会社Essencimoは、生成AIの業務活用を全社的に推進するため、EQUESの**「AI DX寺子屋」**の導入を検討しました。導入の決め手となったのは、まず杉田様からのトップダウンによって、全社的に生成AI活用への意識が高まっていたことでした。この方針を受け、現場の従業員が抱える「何を質問すればいいのか分からない」「どう使っていいか分からない」といった具体的な疑問に対し、テキストベースで個別の相談に応じてもらえる「AIツールコンサル」のような形式が、現状のリテラシーレベルに合わせたサポートとして非常に有効だと判断されました。社内だけではなかなか進まなかったAI活用のノウハウや具体的なアプローチについて、外部の専門家であるEQUESから客観的な知見を得ることで、より効率的かつ効果的に生成AIの導入を進められると期待されたのです。Essencimoでは他に類似のソリューションは検討しておらず、EQUESのサービスが現在の課題解決に最も適していると判断し、導入に踏み切りました。 ■導入後の成果 「AI DX寺子屋」の導入後、株式会社Essencimoの従業員からは具体的な質問がEQUESに寄せられ、それに対しテキストベースで丁寧な回答が提供されました。特に、回答に参考となるURLが添付されていたことは、質問者がさらに深く内容を理解し、自ら調べる上で非常に役立ったと好評でした。 しかし、同時に新たな課題も浮き彫りになりました。それは、Essencimo側の十分なリソースが確保できなかったことや、回答を具体的な業務に落とし込む難しさです。従業員のAIリテラシーに幅があるため、「質問に対する回答を得ても、それを実際にどう業務に活かせばいいか分からない」という声や、「日常的にAIを使っているメンバーでも、現状のAIでできること以上の高度な活用にはまだ至っていない」といった実情も認識されました。一方で、EQUESからの回答が単なる「答え」に留まらず、「なぜその結果になったのか」という技術的な背景や思考プロセスまで丁寧に説明されていた点は高く評価されています。これにより、従業員はAIの特性や限界、そして応用可能性について、より深く考察するきっかけを得ることができました。 ■社内での声 今回の「AI DX寺子屋」の導入について、株式会社Essencimoの従業員からは様々な声が聞かれました。 「AIリテラシーにばらつきがある中で、何を質問すればいいか分からない人にも具体的なヒントが提供され、AI活用のハードルが下がったと感じています。普段からChatGPTを使っている従業員にとっても、より高度な質問や活用方法を模索する良いきっかけになりました。ただ、1ヶ月という期間では、期待するレベルに到達するにはもう少し時間が必要だと感じたのも正直なところです。EQUESからの回答は具体的で、参考リンクの提供があったのも非常に良かったです。自分たちでさらに深掘りして調べる手がかりになりました。また、業務が属人的な部分が多い中、今回の相談サービスを通して、現状の業務でAIが活用できそうな領域を再認識できたのは大きな収穫でした。」 ■今後の展望 株式会社Essencimoでは、今回の「AI DX寺子屋」の活用経験を踏まえ、今後の生成AI活用に関して具体的な展望を抱いています。まず、現状個人に委ねられている生成AIの活用について、会社全体として「どのように活用していきたいのか」という明確な方針を定めることを最優先課題と捉えています。これにより、従業員間のAIリテラシーのばらつきを是正し、全社的なAI活用を推進する強固な土台を築いていく考えです。 次に、ExcelやWord、PowerPointなど、現行業務で頻繁に使用するツールへの生成AIの活用をさらに深化させ、質の高い業務を維持しつつ、一層の効率化を図っていきます。特に、補助金申請書類の作成といった属人的な業務において、現状のAIではまだ代替が難しい部分についても、将来的なAIの進化を見据えつつ、可能な範囲での活用を模索していく計画です。 さらに、補助金情報の収集が情報源ごとに散在しているという課題に対し、自動化の可能性も検討していきます。現時点では人力での収集が中心ですが、将来的には規則性のない情報収集においてもAIを活用できるよう、EQUESのような外部パートナーとの連携も視野に入れています。そして、社内でAI活用を推進するキーパーソンを育成し、「AI DX寺子屋」で得た知見を社内に展開していくことで、さらなるAIリテラシーの向上と、具体的な業務への落とし込みを加速させていく方針です。 株式会社Essencimoは、生成AIの活用を通じて、より効率的で質の高い補助金申請サポートを提供し、顧客企業の成長に貢献していくことを目指しています。
東北電力が語る、AIリテラシー向上を目的とした1Day研修導入とその手応え
■導入会社の紹介 東北電力事業創出部門では、東北・新潟地域におけるスマート社会の実現を目指し、新規事業開発を推進しています。その中で、AI関連サービスとして、GPUクラウドサービスや東北・新潟におけるお客さまへのAIの導入支援を行っています。 ■顕在化した課題 事業創出部門としてAI関連サービスを提供している中で、部門メンバー自身がAIを使いこなす能力をさらに高める必要性を感じていました。特に生成AIの分野においては、基本的な知識から実践的なプロンプトの書き方、そして新規事業開発に活かせる具体的な活用方法まで、体系的な学習機会が求められていました。 ■導入した経緯,理由,決めて EQUES様との出会いは、GPUクラウドサービスの紹介を通じてでした。その後、様々なテーマで協業検討を進める中で、まずは事業創出部門としてAIを使いこなせるようになりたいという思いが明確になり、EQUES様とご相談の上で1Day研修を実施することになりました。 ■導入後の成果 先日実施したEQUES様による1Day研修は、生成AIの基本的な内容に加え、プロンプトの書き方、新規事業開発に活きる生成AIの使い方といった実践的な内容でした。受講者からの評価は非常に高く、研修後には各自が生成AIを活用した業務効率化を進める結果となりました。 ■社内での声 研修の受講者からは、内容が非常に実践的で分かりやすかったとの声が多く聞かれました。各自の業務に直結する生成AIの活用方法を習得できたことで、日々の業務効率化に大きく貢献していると実感しています。部門全体としてAIリテラシーが向上したことを喜んでいます。 ■今後の展望 現在、EQUES様とは、事業創出部門専用のAIモデルの研究やパーソナルLLM構想など、多岐にわたるテーマで協業を検討しています。引き続き、EQUES様と密接に連携し、東北発のスマート社会実現に向けた新たな価値創出を目指していきます。
三菱電機グループ RYODENが語る、生成AI導入の決め手とその成果
■導入会社の紹介 株式会社RYODENは、三菱電機グループに属する総合技術商社であり、長年にわたり日本の製造業を支える重要な役割を担ってきました。同社は、基幹事業であるFAシステム、冷熱ビルシステム、エレクトロニクスの技術を基に、スマートアグリや医療ITなど、多岐にわたる分野をカバーしており、製造現場の高度化や省エネ·環境対策の推進に貢献しています。単なる商社にとどまらず、技術提案力やシステムインテグレーション(SI)力に強みを持ち、顧客ごとの課題解決に寄り添う伴走型の提案活動を展開しています。近年では、DX(デジタルトランスフォー メーション)やサステナビリティへの対応にも注力しており、国内外の拠点を活用しながらグローバル規模でのソリューション展開を進めています。2025年3月末時点での従業員数は1,451名、売上は2,157億円に達し、成長を続ける企業です。 ■顕在化した課題 同社の戦略技術センターでは、製造業向けにさまざまな先端ソリューションを提供してきましたが、近年注目されている生成AIに関しては十分な知見がなく、学術的なアプローチが課題となっていました。これまでにAIや機械学習技術を用いたPoC(概念実証)や業務適用は経験があったものの、生成AIについては学術的な検証を行った実績がなく、どうアプローチすべきか、研究の進め方自体に戸惑いがありました。また、製造業向けのソリューション開発においては、社内で保持している技術シーズや独自ノウハウに基づく提案を行っていましたが、それに"生成AI"という新たな付加価値を加えたいというニーズが強まっていました。そのため、技術的な裏付けを持ちつつ、学術的視点から協業できる適切なパートナーを社外に求めていたのです。 ■導入の経緯・理由・決め手 そのような状況下で、同社の戦略技術センターではEQUESとの協業を検討しました。決め手となったのは、EQUESが単なる受託開発ベンダーではなく、学術的な素養を持つ研究者出身のメンバーが在籍していたことです。特にCTOの助田氏は、大学との共同研究や査読付き論文の執筆実績を持ち、学術と実装の両面において強い信頼を置ける存在でした。学術的なアプローチが求められる領域において、その専門性と柔軟性は大きな魅力となり、「ここなら信頼して任せられる」と確信を持って協業をスタートさせました。また、プロジェクトは月額数十万円というスモールスタートから始められ、コスト面でも導入のハードルが低かったことも意思決定の後押しになりました。 ■導入後の成果 プロジェクト開始後、月に1回の定例報告会を開催し、EQUESから進捗や技術的な説明が行われました。その中で特に印象的だったのは、単なる「結果報告」ではなく、課題に対してどのように技術的にアプローチし、どのような前提でその結果が導かれたのかを丁寧に説明してくれた点です。 報告の質が高く、技術的な裏付けを持った説明があったことで、RYODENの技術陣としても深い納得感と安心感を得られました。 ■サービス導入後での声 また、EQUESのサービススタイルも高く評価されました。従来の業務委託型とは異なり、"AI×DX寺子屋"という形で、社内メンバーとEQUESの技術者が密にコミュニケーションを取りながら進める形式が取られました。これにより、社内の技術者が直接EQUESのメンバーと対話できる環境が整い、知識の定着や理解の深まりにもつながりました。技術者同士の会話だけでなく、チームとして複数名でコミュニケーションが取れる体制だったことも、プロジェクトのスムーズな進行に貢献したと考えています。 ■今後の展望 今後は、戦略技術センターとして製造業向けの生成AIソリューションをさらに拡充していく方針です。生成AIの応用範囲は年々広がっており、社内外のデータを活用した提案書作成、画像生成を用いた設計支援、対話型の業務ナビゲーションなど、可能性は無限にあります。EQUESとの協業で得た知見やノウハウを活かし、「AI×DX寺子屋」という共創型の取り組みを通して、さらに価値ある提案を市場に届けていきたいと考えています。
AIと化学分析を融合した繊維種識別手法の技術検討-ディープラーニングを活用した判別精度向上への取組み -
EQUESは、ニッセンケン品質評価センターと共同で「化学分析とAI技術を融合した新たな判別技術開発の取組み」を開始しました。従来の手法では識別が困難であった繊維種の判別に対し、ディープラーニング技術を適用した検証結果について報告します。 EQUES協力のもと、ニッセンケン品質評価センター(以下、ニッセンケン)では繊維製品の品質管理技術向上を目的として、化学分析とAI技術を融合した新たな判別技術開発の取組みを開始しました。本稿では、EQUESが協力した、従来の手法では識別が困難であった繊維種の判別に対し、ディープラーニング技術を適用した検証結果について報告します。 これまでの品質管理技術開発の取組みと挑戦 ニッセンケンではこれまで、従来の化学分析に多変量解析を組み合わせることで、獣毛種、ポリエステル種(PET・PTT・PBT)、麻種(リネン・ラミー)など、従来の化学分析方法では明確な識別が困難な繊維種の判別技術を開発。特に2022年にPETボトル由来のリサイクルPET繊維の判別手法を開発した際には、大きな反響があり、現在では多くの試験依頼を受けるようになっています。 こうしたニッセンケンの試験技術の開発により、高い識別精度を実現してきましたが、EQUESはさらなる精度向上を目指し、より高度な識別技術の実現に向けたニッセンケンの挑戦を支援し続けています。 「人の知見 × AIの判断力」を組み合わせることで、判別精度の大幅な向上 このような背景から、EQUESはAIを活用してニッセンケンの技術を一層向上させ、新たな品質管理技術の可能性を探るため、「見た目や成分が非常に類似していて、従来の化学分析から人間が確実に識別することが困難で、多変量解析を適用しても十分な判別精度が得られなかった」繊維種について、AI技術、特にディープラーニングを活用した繊維種の判別をニッセンケンと共に挑戦しました。 ※ディープラーニング(Deep Learning):AI(人工知能)の一種であり、大量のデータを学習させることで、自動的にパターンを抽出・識別する技術。 その結果、EQUESのディープラーニング技術の活用により、多変量解析だけでは判別が難しかったサンプルのうち、最大で80%以上の精度での判別が可能となりました(図1参照)。これにより、基本的な多変量解析手法とEQUESの提供するディープラーニングを組み合わせて使用することが、繊維種判別において効果的であることが明らかになっています。 今後の展望 EQUESは、ニッセンケンへの支援を通じてより高精度で信頼性の高いサービスを提供し、繊維・ファッション業界全体の品質向上に貢献します。 詳細はこちら
製薬における品質保証業務効率化AIの実証実験プロジェクト
万協製薬株式会社と、AIによる品質保証業務の効率化に関する実証実験を開始しました。本プロジェクトは、令和5年度『TOKOWAKA-MIE 事業共創推進事業』の採択事業として実施されました。 EQUESの進める「品質保証×AI」 医薬品製造における品質保証業務では文書の作成やレビューに膨大な工数がかかることが課題になっています。EQUESでは、大規模言語モデル(LLM)を用いて文書草案の自動生成・レビューが行えるソリューションの開発を進めています。万協製薬との実証実験においては変更申請書の草案自動生成に取り組み、現場導入を見据えた実証実験を行います。 「TOKOWAKA-MIE 事業共創推進事業」について 株式会社eiiconおよび三重県庁により運営される、全国のパートナー企業 × 三重県内企業で共に創るビジネス創出プログラムです。2024年3月19日に実施されるDEMODAYにおいて、「製薬会社に文書作成AIエージェントを迎え入れ、働き方改革」というタイトルで共創進捗と今後の展望を発表します。