―導入した会社の紹介
Cyto-Facto(サイトファクト)は、神戸に拠点を置く細胞・遺伝子治療分野に特化したCDMO企業です。FBRIの細胞治療研究開発センターを継承し、PIC/S GMP準拠の製造体制を整備。開発から製造、品質試験まで一貫支援し、独自のシステムによるDX推進で、安全かつ高品質な先端治療の社会実装を目指しています。
― 今回のプロジェクトを始められた背景について教えてください。
製造現場では、通信機能のない機器が多く残っており、液晶パネルや制御PCの画面に表示される情報を作業員が手作業で記録していました。従来のOCR技術では操作が難しい上、読み取り精度も不安定で、業務効率化には限界があったのです。そこで私たちは、AI-OCR技術を活用し、画像認識とデータ抽出の精度向上を目指すプロジェクトを立ち上げました。
― 具体的にはどのような取り組みをされたのでしょうか?
まず、液晶パネルや制御PC画面から取得した画像データをAI-OCRで読み取り、MESやLIMSへ自動入力する仕組みを検討しました。さらに、UIモック版やクラウド版のOCRシステムを開発し、音声入力によるデータ修正機能(日本語・英語対応)も実装しています。また、GMP/GCTP規制を考慮したインターフェース設計にも取り組みました。
― 開発パートナーにEQUESを選ばれた理由は何ですか?
EQUES様は高精度AI-OCR技術の開発実績を持ち、医療や製造分野でのGMP対応経験が豊富でした。また、オフライン環境でのOCR対応力やMES/LIMSとの連携を見据えた提案力・技術力も魅力的でした。複数の課題に対し具体的な解決策を提示していただいたことも大きな決め手です。
― これまでにどのような成果が得られていますか?
UIモック版OCRの社内動作を確認済みで、音声入力によるデータ修正機能のデモも実施しました(日本語・英語対応)。さらに、GPTモデルを活用したクラウド版OCRの開発も進行中です。サンプル画像では100%の認識精度を達成しており、GMP対応を見据えた修正履歴管理機能の設計にも着手しています。
― 現場からの反応はいかがでしょうか?
「計画通りに開発が進んでいる」「進捗共有がタイムリーで非常にスムーズ」「本開発に向けた準備が円滑に進んだ」といった声が多く寄せられています。現場にとっても大きな期待感につながっていると感じています。
― 今後の展望を教えてください。
今後は、GMP/GCTP対応を含めたインターフェース設計の詳細化を進めていきます。さらに、iOSやAndroidに対応したアプリの開発や、動画・動的テロップの認識といった新たな機能拡張にも取り組んでいく予定です。
